最近詠んだ短歌をまとめます。どこかで見かけたらご愛敬
春一番に乗って帰還するかつての友を迎え撃てよ 風見鶏
<贈答用>真夜中に取り残されたビニール傘を束ねたブーケ
私の孤独とはアンテナではなく レコードの溝をなぞる針だ
感情は生地、言葉は型紙 はぎれを縫い合わせたら私
両肩にのさばる日差しに潰される すべての音が死に絶えた午後
猫踏んじゃったと思ったら 白鍵の上で毛づくろいしてた 良かった
ーーーーーー
おまけ:推し短歌
追うべきはボールではなくて佇む一人の背中だったのだろう
幸せになってね そしてそれまではどうか報われないままでいて
ちいさないのちとおおきないのちとが ベランダで微睡む昼下がり