ホストの売掛問題はそこまで騒ぐことか

chiyoppe
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ホストで作った多額の売掛金を支払うために女性が望まぬ風俗勤務をしているという問題が国会で取り上げられ、ニュースでも盛んに取り上げられるようになっている。

そのことに対する賛否両論はかなりものだ。被害者の家族や女性の権利を訴える国会議員の気持ちも分からなくはないが、ホストで散々楽しんだツケを税金で補填するのはどうなんだという反対派の気持ちもわかる。

”女性がかわいそう”みたいな、ふんわりとした発想は通用しない。それなら、アイドルに金を注ぎ込み多重債務者になった男性も救わなければならない。女性がお金に困った際に性風俗産業に従事することが、ありそれが社会的に特段問題であるという取り上げられ方をするから特に女性が被害者であるという認識がされることもまた問題である。

そもそも現状の法律でほとんど対応できるのでは無いかと思ってしまう。

多額の売掛のリスクはホストや運営店舗が追うものであって、顧客が負うものではない。クレジットカードと同じだ。回収できなければ損をするのは、本来ホストだ。ギャンブルなどでは自己破産がしづらいらしいが、ホストも同じだろう。安易な自己破産はモラルハザードに繋がるが、ホストなどの売掛による自己破産のハードルを下げることは、そもそも多額の売掛を抑止する効果を持つだろう。

しかし、だからと言って本人の意に沿わない性風俗産業への従事を強要することはできない。もしそうしているなら、それは犯罪だろう。売掛に反社会勢力の人が登場して威圧してきても、法的に対処できる。反社会勢力は末端の人が行っても使用者責任を問えるらしいので、分かりやすく出てくることは難しいと思う。

泥酔状態で正常な判断ができない状態で高額な支払いに同意させられたなら、その商取引に問題があることを申し出ればいい。これを救済する法律が今あるのか分からないが、無いならここは法的に解決すべき問題かもしれない。

それ以外に問題点があるだろうか。

ホストに通い、性風俗で働く女性全員が被害者かと言えばそうではない。ホストに恋をしたり、応援したりしたいその人の意思がそこにあり、そのために性風俗産業に従事している本人の意思を否定したり、被害者であるレッテルを貼ることは違うと思う。

その女性はもしかしたら、社会的に孤立していたり、何かしらの繋がりを求めてそこにいるのかもしれない。それは社会問題かもしれないが、それならば売掛などを問題にするのではなく、社会的な孤立や繋がりという問題に取り組むべきだ。売掛問題はその結果に過ぎない。

ホスト以外にもこのような事例はたくさんある。アイドルにガチ恋をしてお金を注ぎ込んだり、他人には理解されない何かしらの趣味に大金を注ぎ込む人もいる。そのためにリスクのある職業についている人もいるかもしれない。そんな人たち全員を救済するというのか。それは全て自分の判断では無いだろうか?

「ホストの色恋に騙された娘がバカなのか」と会見で訴えていた母親がいたが、部分的にそれは正解だと思う。それが結婚詐欺であるなら法的に対応ができるし、そうでなく好きな人にお金を注ぎ込んだならそれはもう個人の自由だ。

そもそもホストやキャバクラ(時にはアイドルも)は疑似恋愛を楽しむような場所でもあると思う。その場所に行って、疑似恋愛の前提条件を忘れて没頭するならそれはもはや個人の責任だと思う。

女性の権利を訴えるのは結構だが、これは少しやり過ぎじゃ無いだろうか。