2023年の日本レコード大賞(以下「レコ大」)の大賞候補となる優秀作品賞が発表されたが、今年最も話題となった楽曲の1つであろうYOASOBIの『アイドル』が含まれておらず、SNSを中心に批判の声が起こっているらしい。
レコ大の選考は公益社団法人日本作曲家協会が行なっているらしいが、その選考過程はブラックボックス化しており、近年はレコ大の結果には賛否両論が巻き起こることも多い。
これはレコ大の問題だけではなく、SNSの発達やマスメディアの影響力の低下で国民的ヒット曲と言われるような楽曲が誕生しづらく、人気が分散しているような現状も影響しているのでは無いだろうか。
これまでもレコ大の裏には事務所の利権などいろいろな疑惑が囁かれてきたらしい。その真相は分からないが、今回のアイドル外しは流石に無自然だと思う。YOASOBIは特別国際音楽賞を、Ayaseは作曲賞を受賞したらしいが、ヒットのレベルを考えると、対象候補にならないのは不自然に思う。
毎年テレビで放送され年末の定番番組であり視聴率もある程度あるから複雑な利権が絡むことは理解できるが、選考基準に明らかな疑義を多くの人が感じる状態が続けばレコ大自体の価値がなくなっていくと思う。
益社団法人日本作曲家協会の公式サイトによれば、「優秀作品賞」の審査基準は"大衆の強い支持を得、芸術性、独創性、企画性に優れ、その年度を反映したと認められた作品"らしいが、その前提が疑われればその価値自体がなくなってしまう。
今年そして今後、レコ大の各賞を受賞するアーティストにもケチがついてしまう。今年候補となっているアーティストの方も才能や実績のある方達だと思う。しかし、その人たちにもケチがついてしまう。
視聴者が選考基準に大きな疑義を感じ続ければ、この賞自体に価値がなくなる。何かしらの利権や一時のお金のために賞自体に価値がなくなれば、元も子もないと思うが伝統的な日本の芸能界のあり方なのかもしれない。