★★★★★ 人にお勧めしたい
本書は大学授業などの概論で使われている書籍?ということもあり、導入としてはとても分かりやすい本であった。実務上やデスクトップ調査ではなかなか得ることのできない歴史的な流れや考え方の源泉の説明を丁寧に行っている。そのため、「あれってなんでそうなんだっけ?」といったマーケティング活動上で頻発する「所与の条件」というものが所与たるゆえんをここで学ぶことができ、そういうことであれば今悩まされていたこの問題はこう解決できるよなといった考え方のヒントや自信を与えてくれる本である。
筆者によって、当たり外れが正直あると思うが、以下ざっと。まず序章は適当に読み流しでOK。実践的じゃなくて回りくどい印象。4章も調査概論でほかにもっと良い教材あるのでスキップでOK。全体的に目先のことではなく、俯瞰した視点でマーケティングが語られているので、例えば4Pとか考えるときとかも、どこかの担当者の話というよりは、複数位相(考えるレンジ)があってそれぞれがこういう判断しますよという説明になっている。立ち返る場所がいくつも作られた印象。特にチャネル系の話などは自分は通ってこなかった道だったりもするので新しい学び。なんでD2Cになったのか?を便利でしょっていう短絡的な話じゃなくて複数理由で重ねて説明している、基本この整理の仕方をしているので学問的なマーケティングっていうのは面白いんだろうなーと思わされた。