養殖されたニジマスなどの鱒類が管理された池や川に大量に放流されて、それを釣る遊び?を「エリアトラウト」という。早い話が釣り堀なんだけど「釣り堀=ヘラブナ」みたいなイメージがある古い世代の私は、釣りを復活させるため久しぶりに釣り具屋さんに行ったときには意味がわからず何だろう?と思っていた。
エリアトラウトはその名の通り管理された釣り場で釣るので「管釣り」ともいわれることもある。子供の頃、田舎で自然相手に釣りしてた私からしたら「釣り堀なんて」みたいなところもあったけど、釣りのリハビリ代わりにいざやってみたら、そこには奥深き世界が拡がっていたのよ。
誰でも簡単に釣れるエリアトラウト
エリアトラウト・管理釣り場での釣りの特徴といえば前述の通り。釣り上げる対象は養殖された鱒なので調理して食べられるし、場所によってはスーパーで売ってたりお寿司で流れてくるトラウトサーモンのようなブランド鱒的な赤身の魚もいる。家族連れやグループで訪れ、釣り上げた魚を捌いて持ち帰ったりその場でBBQする人たちもいれば、大会に出るための練習や魚との知恵比べで真剣に取り組む人たちも一緒くたなのが特徴。ちなみに私は渓流でもエリアトラウトでも知恵比べ側のオールリリース派。
このエリアトラウトを始めるのは簡単で、管理釣り場にはレンタルのロッドとリールもあるので手ぶらで行っても大丈夫。都心なら電車でいけるところもあるし、夏場はプールで営業しているところが冬場は管理釣り場になるとこもある。釣り場に着いたら一日券や時間券などを購入さえすれば入場でき、初心者用の池やらインストラクターがいたりもするから安心。釣り場のタイプは、池やプール、自然の川を使った場所といった違いがあって、それぞれで釣り方が少し変わってくる。
自分の道具が欲しくなったら、釣り具屋には初心者セットみたいな数千円で買える安価なセットもあって、正直釣るための竿とリールはどんなのでも良い(釣れないことはない。大事なのはルアーの方)。最近は放流されている鱒たちも賢くなったのか以前より難しいとはいうけれど、お子さんでも女性でも釣り方さえおぼえたらまあまあ釣れるはず。釣れないようなら釣り場のスタッフに聞けば教えてくれるから大丈夫。ルアーはその釣り場で売ってるものがあれば、それがそこで釣れやすい、釣れる実績があるものだと思われる。
蓋を開けたら奥が深すぎる沼な世界
「今日のお昼はみんなで釣った魚を焼いて食べようぜ」みたいなノリで行くぐらいなら道具にこだわることもないが、エリアトラウトの面白さがわかりはじめると自分の道具が欲しくなるという罠。そんな高い道具は要らないが一旦そこにこだわりはじめたらキリがなく、本気で取り組む人たちはロッド1本数万円にリールひとつ数万円のワンセット。釣り方に併せてセッティングを変えた数セットをスタンドに立てている人たちで溢れている。釣り方によって道具を変えた方が釣りやすいのはわかるんだけど、私は基本1本でなんとかしたい人なので道具は極端に少ない(それで別に困らないから良い 笑)。
管理釣り場のニジマス釣りは、生の餌を使った餌釣りや毛鉤を使ったフライフィッシングもできるが、多くの人はルアーという疑似餌を使った釣りをしてることが多い。ルアーには「スプーン」「スピナー」「クランク」「ミノー」みたいな種類があって、釣りの対象魚や釣り方によってそれらを付け替えて釣る。休みの日の管理釣り場には多くの人が集まり、魚もいろんなルアーを目にすることになるから、ひとつのルアーを投げ続けて一日中ずっと釣れるというのは極めて稀。釣り続けるためにはあの手この手を駆使し、頭を使わないと攻略できないところに面白さ、奥深さがあるんだろう。
そんなエリアトラウトは釣り場ごとにレギュレーションがあって、使えるルアーや釣り方が決まっているので注意が必要。YouTubeなどを見ればエリアトラウトに限らず「このルアーが神」みたいな動画で溢れているが、正直なところ「たまたまその場にあってただけ」で嘘とはいわないが、どこでもそれが有効か?というとそんなことはなく、話半分で見るぐらいでちょうど良い(笑)。というのも、釣り場の天気や気温に水温、水質や水底の色、周りの人たちとの兼ね合い、何よりも魚の気分だったりさまざまな要素が複雑に絡み合い、その時々で釣れやすいルアーや釣れる色が変わるもの。「このルアーが初心者でも扱いやすい」「この辺の色を揃えておけば何とかなる」はあるけどね。
エリアトラウトのハイシーズンは冬場、適正水温が10℃前後かな。魚だって生き物なのでやる気がある時もあればない時もある。水深2m前後の池や川でも、魚はその時々によって表層に浮いて飛んでいる虫を狙ってる場合もあれば、底の方でジッとしていることもあるわけ。そんな気まぐれな魚たちをうまいこと釣ろうと思うと、「あのルアーが必要なのでは?」「隣の人が釣ってた色が自分の持ち物には欠けてる」みたいな思考になるし、自分だけが釣れなかった日には「魔界」と呼ばれる釣具屋に寄ったりすることになる(釣れないのは持ち物よりも釣り方だったりするんだけど 笑)。
そんなエリアトラウトは釣りとしては比較的簡単なものなので、ルアーフィッシングの楽しさを覚える最初の一歩としては最適。いきなり川だの湖だの行って釣れないとつまんないけど、エリアトラウトなら余程のことがない限り大体釣れるし、釣れたら釣れたで食べる愉しみもあるしね。知らなかった世界がひらけて楽しくなっちゃって道具にこだわり快適さを追求するのは良いけれど、アレも買わなきゃコレも買わなきゃみたいなことをしてるとお金なくなっちゃう。特にルアーを買いそろえ始めたらキリがないから…嵌まりすぎには注意で。ホント釣具屋は魔界。
https://www.youtube.com/watch?v=RxF9qhCYhuk
もし知り合いでやりたい人がいたら声かけてくれれば道具は貸せるほどあるし、釣り方ぐらい教えられるから一緒に釣りに行きましょう(冬場は寒いので気合いが必要)。