自堕落から救ってくれるような気さえした。いつもより目が冴えた朝は、わたしに前を向くことを促してくる。いや、後ろ向きなのが日常だなんて!そっちのほうがどうかしてるだろう。時計マークのアイコンがあることに安心感を覚える。朝、冷たい空気、応援する天気予報。泥濘は、わたしの何を救う。
焦げ臭い。第一声がそれだった。おはようとおやすみを忘れた場所に1日の区切りがあるわけなくて、だからわたしは123456789時間の1日を生きている。火事の原因だった。派手な焚き火だとそれは笑っている。場を明るくする茶化しだとはわかってるけど、明るくなったのは燃えたその一瞬だけだ。あそこにはわたしのすべてがあった、すべての、1日が。一笑で失くせるはずもなかった。殴った。怒られたのは、わたしだった。
だから、始まりは雨が降ったらいいと思ったのだ。始まりが最悪なら、相対的に他のことがよく見えてくるから。その後の自分を褒められるから。そうしないと愛情欠乏症で自分は自分を肯定できなくなる。他人がいて初めて自分が成立するのだ。淀みの下に沈む色、その色を掬い上げて啜るには朝日は眩しすぎる。夜のまどろみは優しすぎる。わたしは、行き場を亡くす。