いのちをうつす展に行ってきた話+東京の展示いくつか感想

closedhoshino
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普段は関西にいる私だが、先日東京を訪れた。その際、フォロイーの勧めもあり、気になっていた「上野アーティストプロジェクト2023 いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間」展に行ってきた。

いのちをうつす展の、展示名が書かれている壁の写真

これがもうめちゃくちゃ面白くて、いまだに「面白かったなー」と反芻してるんですが、何ともう明後日の1/8に終わってしまうらしい。そんなあ!ということで、鍵垢に投げてた感想を以下にサルベージすることにしました。

ついでに、その時見に行った國學院大學博物館の企画展「マラッカを越えて極東アジアへ-ポルトガル地図学の16世紀」のちょこっとだけ感想と(これもめちゃくちゃ面白かった!常設展と合わせて見回ってもさっくり見れるのでおすすめ)、

「永遠の都 ローマ展」のちんまり感想も未来の私のために置いときます(こちらの東京展示は終わってしまった。いまは福岡でやってるみたいです)。

以下、感想ツイート。書き直す体力はないのでほぼそのままです。サルベージしたは良いが、見た人向けな感想かもしれん。どんな展示があるのかの説明がほぼ無く…

いのちをうつす展 感想

小林路子さんのユーモアまじ好きなのでエッセイ出してくれ!と思ったらやっぱ出してた 図書館であるといいな しっかしキノコっつうか自然物の絵が上手すぎる(当たり前体操) そして同定ができるのすごいなあと思った しばしば具体的に食べようとしていたの良かった

鳥の模型の人は…見た瞬間変態や!!!!と思った 鳥のあの羽の集合体の表面を再現するのが上手すぎ(これもきっと当たり前体操) いやにしたってアレはマジですごいな 着色してる作品とか羽根の透け感がマジでエグかった アレを立体と着色だけで?そんなあ…(畏怖)という感じ

目に障害を持つ人がこの人の作品を触りたいと言ったのがきっかけで〜みたいな話があったらしく(うろ覚え)、良いなあと思った カービング特有の意義の一つな気がする 触れるってデカいよやっぱ

この人がこの展示に参加していたから、馬写真の凸凹のやつとかもやったんだなあと思った 良い取り組みだと思います 「目に障害がある人でも楽しめる展示」ってどうしてもそれそのものをコンセプトとした作品ばっかになっちゃうから、今回のようなフツーの展示でやるというのはめっちゃ意義がある しかも上野の美術館という場所だし

ただあの凸凹の意志はもうちょっとどうにかならんか?はちょっと思った かなり主観性の強い凸凹で、馬の輪郭に沿ってないのがなあ 情報を伝えると言う意味ではあまり機能できてない気がする その割に形はすごく複雑だから余計に分かりづらいんじゃないかアレは

酪農やりながら牛を描いてる人の作品はかなり覚悟を感じたのでアレ生で見れて良かったですね 俺たちが食っている肉の、肉になる前の生物の姿が描かれている 木版画のサイズが牛の原寸に近いもんだからより「ああこの牛さんはいつかにどこかで食べられたんだな」という実感が湧くのが良い

馬写真の人はタイトルがめちゃくちゃ良いなあと思ったらフォトポエムやってたとのことだったんで納得です 「3年ぐらいしたら良い感じな馬の写真撮れるようになるかなーと思ってたら2年は思うようにいかず怒り狂いついのめり込んだ(うろ覚え)(しかし怒り狂ってはいました)」の、マジでおもろい

植物スケッチの人飛ばしてた てっきり存命作家ばっかの展示やと思ってたんで言葉使いの古い文章が出てきてびっくりしたのを覚えている 花が好きな人で、「訪れた人が珍しい花を持ってくると本当に嬉しい、庭は小さいんだけどそこで育てている(うろ覚え)」みたいなこと言ってた文章、愛に溢れてて良かった

この人も絵が上手い(当たり前体操) しかし筆で描かれた植物のスケッチは新鮮で見応えがありました 道端でオッと思う花があれば画材を取り出しいそいそと描いておりそれは全く苦にならないと言っていたのが、何だか友人を思いだしたので良かった

最後のゴリラの人は「ゴリラの画家と呼ばれているらしい」て何だか他人事にしていたのがジワった 本当にゴリラが好きでそれ一辺倒でここまできたんすねと思った ゴリラの瞳の、動物でありながら人のような意志を感じるあの感じが絵に現れているのがめちゃくちゃ良かったな

目を合わせたら殺られると思っていた経験(絵本のやつ)から来たのかなやっぱ あとゴリラが激減した要因のひとつとして「攻撃的だと思われていた」がかなり意外に思った しかしそれが専門の人ではないので話半分に聞きたいなとは思う

触れる模型コーナーばり楽しかったなーーー!係の方に鳴き声ペン貰ったからやったあ!と思い全部やった 俺の近所ってめちゃくちゃツバメが多いわ 急に肉声で「珍しい鳥なので、ありません」とか出てくんのもジワったな ハシブトとハシボソのカラスの模型めちゃくちゃ触ってきた デカくて可愛すぎるあいつら

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補足:この展示では一部の作品(バードカービングと写真作品)について、実際に触れるようになってます。バードカービングは平たく言えば野鳥彫刻で、今回の展示では全ての鳥がおそらく原寸で作られています。すごい!(そもそもバードカービング自体、原寸の模型なのかも、、?)

話を戻します。ともあれ10種以上の鳥をめちゃくちゃ触れるし、鳴き声を聞けるペンみたいなのを貸し出してくれはります。これがすんごい楽しい!ので、もし見るならやるのがおすすめです。

國學院大學博物館の展示のちょこっと感想

現存してる地図、大体王室が大切に保管してたのが多くて、やっぱ地位の高い人間の所有物がこうやって残んねんな〜て思った 王室向けに華美な地図が描かれてんのもはえ〜となった 地理的な情報よりもその土地にどんな生き物建物があるかとかが優先されてんだよね 今で言う観光誌みたいなもんかな

ローマで大使を務めた伯爵にローマ皇帝が直接贈ったという地図があって、それは伯爵家で長らく大切に守られていたという話(解説)がめっちゃよかったな 地図ってそういう贈答品になってたんやもあるし

ちょこっっっとだけ展示してた隠れキリシタンの展示も良かったな 「差別/偏見を含む用語を扱っているがそれは資料の再現や当時の価値観をそのまま再現したものであって当館の考えではない」とちゃんと書いてあったし、話のオチが現在のマイノリティに繋げられてた

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追加感想

  • 王室向けの華美な地図を作るのが得意な工房と、航海向けの実用的な地図を作る工房とあったのが面白かったです。ニーズの違い

  • めちゃくちゃうろ覚えですが「作成者の父に似た特徴の装飾をほどした地図」みたいなのがあって、海図が盛んに描かれていた当時は江戸時代と同じく「地図書きの家に生まれたら地図を書く」感じっぽいなも思いました 職業の自由が確保されるようになったのって確かにもっと後世かも?? 世界史詳しくないんですが…どちらにせよ夢創作が捗る

企画展のやつは海図の話をずっとしてるんで、ワンピースの創作してるなら見るとめちゃくちゃ楽しいと思います。少なくとも私はめっちゃ楽しかったです

こちらの展示は今年の2/12まで。図録は通販でも買えるっぽいですが、もし見れる距離にお住まいなら生で見るのが楽しいです!なんせでかいので

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※以下小学生レベルの下ネタ感想

博物館の石棒、たぶんお○んちんで、きっと博物館の人もおちん○んやと思っとるやろうけど、確実でないことは言えないから「ただちに使途が理解できない」て書いてあったの口角上がった

こことか「おち◯ちんを中心とした祈りの形」って感じでマジ面白くなっちゃったよ

國學院大學博物館の常設展のディスプレイ写真。中央に石棒が置いてある。

下ネタここまで

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ローマ展のちんまり感想

教皇の肖像画でめっちゃフリル描き込んでる絵があって、解説も「描き手の手腕がわかる」的なこと書いてあったけどこれ教皇が着てたから描かざるをえんかっただけで俺やったら「何ちゅうもん着てくれてはんねん!!!!」になっちゃうなとか思ってた

まあああいうフリルみたいなのを描くのが楽しい/得意な変態(主観)が友人に居るのでそのタイプだったのかもしれん 俺には到底できん(尊敬)

推定全長12mの石像の一部(手足顔)があってマジでデカくて良かったな しらほしネプチューンあたり 人間の胴を片手で余裕で握れるサイズ感の手

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おわり。いのちをうつす展、地図学展、面白いのでおすすめです!ローマ展はかなりガッツリ彫刻なので興味がある人はという感じかも。でも彫刻のリアルサイズを体感できるのもまた楽しいですぜ

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おまけ

國學院大學博物館の帰りにライフに寄ってすあまを買おうとしたらすあまだけ無くって、💢になりました。すあまって関西に無いんですよね。あんなに美味しいのに。ういろうは売っとるのに。

しかし別所で無事買えましたのでご安心を。美味しいので一つ食ってしまってる写真。