「地獄」と聞いて、痛かったり苦しかったりするだろう
僕が最近みつけた「地獄」はもっと緩慢で、そして相反する窮屈さがある
彼は仕事の出来る男だ
求められたことに120%で応えようとしてくれる
それが故に、彼の中で”あるべき自分”や”あるべき仕事”の形が色濃い
その色濃さと、置かれた境遇のギャップを感じたときに
彼は求められることに応じて寄り添おうとする
そのギャップがあることで自分のパフォーマンスを犠牲にするのだ
背景を気付かない相手は、”彼はパフォーマンスが出ない男”と判じるだろう
一度貼られたレッテルを覆すのは、並大抵のことではない
突拍子もない奇策を用意したり、大逆転劇を演出しなければならない
その問題を解決するために、120%でよかったものを200%の力で
彼は乗り越えようとする
人間は200%の力なんて、普通は出せるように作られていない
見積もりが破綻してしまっているのだ
結果、誰も幸せにならない出来事が連続して「地獄」が生まれる。
そしてその「地獄」にいることを、お互いが気付く事など極稀なのだ
更に言えば、この「地獄」は大変一般的なものだ
キレイに言えば「ボタンの掛け違い」というやつなのだ
僕はこの「地獄」がとても嫌いである
ゆえに人の本性をひっぺがすのが大好きで仕方ない
人間の人生は永く短い
こんな「地獄」に足を取られている暇などないのだ