キュビズム

cocopon
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シンプルは美しい。極端な例では、等間隔に円が並んでいるだけでも美しいと感じてしまう。およそ人が生命を維持するために必要とは思えない、不思議な感性である。

その理由を知りたくて、最近は『近代絵画史』という本を読んでいる。いまは下巻の中ほどで、ようやくキュビズムが出てきたあたり。

古典から脱却し写実を求め、自然に敬服し、自身の内に秘められた感性に気づく…という時代の流れを追ってきたいま、以前まったく理解できなかったキュビズムとは一体何なのか、その正解を見る前に予想してみたくなった。あとで答え合わせする。

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おそらく、当時の人々は自身の感性と向き合う過程で、3次元の物体の裏側を「もったいない」と思ったのではないか。

物体は本来3次元であって、いま目に見えていない裏側もそれがそれであるための大事な情報であるはず。しかし目に入った映像を忠実に再現すると、絵画としてはその裏側は隠れてしまい、なかったことになってしまう。

目に入る映像に捉われず、物体の性質・形態のすべてを2次元のキャンバス上で表現しようという試みがキュビズムなのではないか?

@cocopon
でべろっぱ〜/でざいな〜