今日で最後の部下に、彗星さんが代表になってくれてたら辞めませんでした、って言われて自分の不甲斐なさに泣きそうになった。周りの子供じみた嫌がらせに耐えかねて責任ある立場から目を逸らして逃げた、数年前の選択が今になってわたしを殴りに来た。
わたしは折れるべきじゃなかった。わたしが折れたら部下も折れるとどうして気付かなかったんだろう。会社にとって、有能な人を失うことがどれほどの痛手か嫌という程知っているはずなのに、なぜ挫けてしまったんだろう。
あの頃確かにわたしは嫉妬だけが理由の悪意に耐えられなかった。祖父母の世話をしていたし、自分の好きな仕事もしたかった。それで会社を後回しにした。でもそれは、部下には見捨てられたように思えただろうか。それに今まで気付かなかったことにも呆れてしまう。
わたしはこれからどうしたらいいんだろう?支えてくれていた人たちを失って、なにを守っていけば良いんだろう。いつも失うまで気付けないわたしが一番の大馬鹿者だ。