昼まで寝て起きたとき多幸感に包まれていた。
京大近くのハンバーグ屋さんでお昼をたべ、吉田寮食堂の展示へ。写真よりも建物と内観に圧倒される。ふつうの暮らしが、どうみてもふつうじゃないかたちで、ふつうに営まれている。他者の視線を浴びながらふつうに廊下のくたびれたソファでスマホゲームをしたり、昼寝をしたりしている寮生たち。あたりまえに部屋のドアは空いているし、洗濯物にタバコにビールにDVDにいつのかわからない小麦粉に、大量の段ボールに積み上がった本に押し込められたコタツに、大量のビラに、植民地主義、民族差別、訴訟の文字。そこで撮られ展示される作品には、釜ヶ崎ポートレートを思わずにいられなかった。でも少なくともあの展示空間には、大文字の主体しか、存在しなかった。
京セラで川内倫子さんと潮田登久子さんの展示。女性の社会進出が〜という前置きをノイズに感じてしまうほど自分は吉田寮を引きずっていた。川内さん、ほんとうに憧れの写真を撮るひと。写るのは細やかな瞬間、移ろいゆく季節、取るに足らない諸々、おだやかでキラキラとした闇。
そのあといつもの写真やさんで現像、一方的にだいすきなスタッフさんの写真展。みなさんの感想ノートがすばらしくて涙がでそうになる。ひとから愛されるってこういうことかと。写真まみれのいちにち。
あなたがどれだけ光の中で、ひとから愛されて生きてきたのかがよくわかりました。自分はいつもくらやみのほうへ進んでしまうくせがあるので、あなたのようなひとの底抜けの明るさにふいに救われることがあります。そう書いたあなたのことを知りたいと思う。