年が明けた。ほんとうに明けたのかな?と疑ってしまうような年明け。いとこや犬を連れて出雲大社の分祠へ行き、長い行列に並んで初詣をして、おみくじに一喜一憂して、なんだかんだ今年も大丈夫そうだと安堵し、屋台の焼きそばやじゃがバターを美味しい美味しいと頬張って、ベビーカステラを買い込んでさて帰るかというちょうどそのそのときに、日本海側で地震が起きていた。正月番組は軒並み放送されず、ひたすらに流れる地震の報道。今もどこかで苦しい、さみしい、寒い、不安な思いをしているひとたちが、確実に大勢いる。無視できないほどの大きな、深い苦しみを抱えて、どうしてあけましておめでとうなどと言えるだろう。そう思いながらせめてわたしは、大丈夫な顔をして、大丈夫な身体で、あけましておめでとうと思い、祈っている。その頭の半分では、いつかすべて無くなるのに、ほんとうに何の意味があるんだよと、まるで星野源のラジオみたいに思う。正直言うと、それでもまだ頑張れよ、頑張ろうよとは、まだ思えない、そんな正月。正月はめでたいばかりじゃない。