私は優しくないと思う。
人に優しくしたいと思うようになったのは、幼稚園生くらいの頃のことだと思う。当時はきっと、優しければ他人から褒められるとか、そういうことを理由にそう思っていたのだろう。そして当時は、自分で自分のことを優しい人だと思っていた。
20年近い時が経った今、私は人の優しさを目の当たりにしては、自らが優しくないと感じることが多い。私は周囲の人に恵まれたから、みんなの優しさが眩しい。それはとても幸せなことなのだけれど。
優しくなるためには、人の優しさに気付かなければいけない。優しさを感じることはできる。でも、何が優しさなのかが掴めない。その優しさの本質はどこにある?
優しさと言っても様々なものがある。私は、本当に人を思って優しくできているのか、不安になる。自分が優しさだと思っているものは、自分のエゴではないのか。その優しさというのは、ただの無責任さなのではないのか。
人に優しくするとはどういうことなのだろう。わからない。どうすれば優しさを知ることができる?どうすればその優しさの基となる哲学に触れられる?
優しさは様々な形をしている。きっと正解などないのだろう。それでも、私は私の持たない優しさが欲しい。いつか、私の周りの人を包み込めるだけの、優しい人になりたい。