久々に映画館で映画を観てきた。友人からおすすめされた「マーズ・エクスプレス」
*以下、ネタバレ含みながら感想書きます。SF描写がすごい!みたいなことを言う人はたくさんいそうなので私はそれ以外のこと書くね。
映画との出会いを楽しみたくて、事前に予告とか見ないで観に行った。
見始めた最初の印象は「楽しい」だったのだが、見終わった直後の今の感想としては「は?なんだこの胸糞エンドは??」だ〜〜〜!
ん?私なにかを見落としてた?って思ってしまうくらい、大資本にとって都合の良い展開で終わった感があるな〜!ラスト直前まで社会批判を盛り込んだSFサスペンスとしてかなり良くできてると思っていたから、本当に終わり方が残念でならない!
映画館を出て、もやもやするので今日はもうキメようと思ってパフェつついたら少し冷静になってきた
いったん世界観を整理するか
・テクノロジーによって肉体と魂は換えの効く存在になった。人間、ロボット、半ロボット、貧富による格差社会。差別。
・テクノロジーを支配することで規範を操作し支配している資本・大企業。従順な消費者としての大衆。社会批判として昔からあるやつ
・その中でアイデンティティを失い、尊厳を奪われる魂たち。
登場人物
・主人公の1人アリーヌは元軍人の私立探偵で人間。金持ちの友人がいる。禁酒中。
・その相棒のカルロスは体を失い今は半ロボット。自身のDVを悔いているが娘には会えず、日常ではロボットとみなされ差別されている。
企業が絡んだ陰謀が縦軸、この2人(主にカルロス)の感情の行方が横軸、みたいな感じで物語は進む。
正直、縦軸の推理サスペンスはよくあるSF映画のテンプレそのものなので、真新しさはあんまない…印象だった。そのうえでどんな社会的なテーマを描くか、を期待していた。主人公は「特権を待つマジョリティ」×「規範から阻害され周辺化されたマイノリティ」の2人組。なんとなく、「この2人が衝突しながらお互いの視野を共有して最終的に規範を打ち破る」みたいな展開を期待していた
結果、一応助け合うんだけど、あくまで同じ目的の2人として終始する。そして黒幕である資本側の思うがままにことが進み、最終的に資本にとって都合の悪い存在、周辺化された魂たちは社会からフェードアウトさせられるのだ…
ポスターには、私たちが人間を捨てたのだ。って描いてあるけど、感覚としては開放ではなく、人間に絶望して人間の組んだシナリオ通りに排除される魂の、絶望と無力感しかないよ。この映画で何を救おうとしたのさ、打ちのめされた感しかないぜ〜〜??
カルロスがグループセラピーに行くか悩んだりするのかと思ってたよ。テクノロジーを学ぶ学生たちのもたらす新たな価値観とかさー、希望につながる芽がありそうだったのに。
ラストで追放される人たちの魂が宇宙船のサーバーに転送される時に「私の魂がこんな細〜いレーザーで転送されてたまるか」と思ったよ〜〜!
はあ〜〜
私、映画に励ましてもらいたかったんだな。まぁそれが自覚できた、ってことにするか
ちょっと前にホープパンクSFの「ロボットと私の不思議な旅」を読んだから、SFに幻想を抱きすぎてたかも。フェミニズムとまで言わずともSF作家は少なからず左翼的だと思ってたから。
SFとかサイバーパンクな世界観のビジュアルアイデアについては満点です。でも多分私はもう観ない。なんの考察記事もみないで感想を書いたから、まだ気づいてない見方もあるかもしれないけど。ベッキーチェンバーズの読んでないSF買って帰ろうかな。