フィードバックを得る

しーぴー
·
公開:2025/6/5

まとめると

対面で話せ、そして真に仲の良い友達を作れ

フィードバックの重要性

何かを改善するにはフィードバックが欠かせない。例えばあるテストを解いて30点という結果を得た、というだけでは次解いても30点のままである。しかし30点という結果のほかにどの問題が間違っていたのか、もっと言えばどこが間違っていて、正しいやり方はどうなのか、を知ることで次は100点を取ることができる。

これは単に答えが決まっている問題だけでなく、答えが決まっていない (=ヒューリスティックな) 問題にも適用できる。問題というと堅苦しいが、例えば日常会話を想像して欲しい。

A:「昨日のサッカー日本代表の試合、見た?」

B:「うん、将棋の藤井聡太さんの対局はすごかったね~」

Bの返しは「おかしい」と感じるのではないだろうか。しかしBは (あえて意図してい限り) おかしいというフィードバックを得ない限り、おかしいということを認識できない。先のテストの例にも見たように、フィードバックを得なければ改善できないのだ。

この例は非常に分かりやすい極端なものだが、もっと微妙なズレ (おかしさ) は日常のありとあらゆる場面に存在している。

インターネット時代において

インターネット以前、人間のコミュニケーション手段にはどういうものがあっただろうか。もちろん対面で会って会話することはあるし、手紙は古来から伝わる遠方との交信手段である。近年だと電信、電話という手段もあるだろう。

しかしインターネットができて以降、特にSNSやメッセージングサービスが身近になって以降、気軽にテキストでいつでもやり取りできるようになった。これはもちろん様々なメリットをもたらしてくれた一方で、これから挙げる問題点を生むようになった。

その問題点とは、フィードバックを得ることが難しくなった、ということである。対面で話せば相手の表情、声色、仕草、など単なる会話内容以上の多くの非言語的 (non-verbal) な情報をお互いに受け取ることができる。ある説によれば非言語的な情報は全体として受け取る情報の2/3程度を占めるとも言われている。(要出典)

一方でテキストコミュニケーションにおいてはそれらが全て失われてしまう。伝えたい情報の1/3程度しか受け取ることができないということである。フィードバックを得るという観点から見ると、この情報の喪失はかなり致命的である。

対面で話しているとき、相手がおかしいことを話したら、思わず無言になるか、何か怪訝な反応を返すか、あるいは茶化すか、といった普段とは違う反応を返すと思う。それを見て相手は「今自分はおかしいことを言ったんだな」ということを理解して、フィードバックとして受け取ることができる。

逆にテキストコミュニケーションにおいてはどうだろうか、それが1対1の会話 (LINEの個人チャット、各種SNSのDMなど) であれば何かしら返すかもしれないが、その発言を見ている人が多くなればなるほど単に無視することが多くなるのではないかと思う。つまり、フィードバックが得られなくなるのだ。

大人になるほど

先に対面で話しているときは相手の非言語的な反応などからフィードバックを得ることができる、と述べた。しかし、大人になればなるほど感情を隠すのが上手くなる。いわゆるスルースキルというものである。

例え相手が多少ヘンだったとしても、ヘンだと殊更に指摘することは少ない。ただ合わないと感じて離れていくだけである。友達が多ければ多いほど良いというわけでもないが、友達が全くもっていないという人はもしかしたら感覚のズレが原因かもしれない。

大人になればなるほど、と言ったが、大体のタイムリミットは中学生ぐらいだと思っておいた方がいい。ただ相手との関係値が高いほどフィードバックが得やすいので、高校や大学、あるいは職場からの関係だったとしても、長い時間をかければフィードバックを得られるかもしれない。

フィードバックを得るには

まずはっきりと言うが、「フィードバックをください」と言うだけではフィードバックはもらえない。先に述べた通り、相手との関係値、とりわけ相手の年齢 (いつから付き合っているか) が重要である。

これを読んでいる読者の方々においては、ぜひ身近な友人を大切にしてほしいと思う。別に友達が多いほど良いというわけでもなく、ちゃんと本音で話せる「良い」友達を作って欲しいと思う。それがフィードバックを得るために必要なステップである。

そのためにも、ぜひ対面で話すことを勧める。テキストコミュニケーションだけでは「良い」友達を作るのはかなり難しいと思う。ちゃんとお互いに話して感情を共有できる友達を作って欲しい。

まとめると

対面で話せ、そして真に仲の良い友達を作れ