カルチャーセンターの「呪物蒐集入門」の講座を受講しました。
「呪物」とは、超自然的な力が宿るとされている物です。さて、どんな呪物があるのでしょう?会場のある、東京大手町の讀賣新聞本社に向かいます。
大手町は、巨大なビルが整然と並ぶ大都会です。ビルがあまりに大きいので、見上げると首が痛くなります。
さぁ着きました。ビルの入り口で、セキュリティカードを受け取り、自動ドアの前でカードを機械にタッチして入ります。ハイテク過ぎて困惑します。科学博物館にある「干し首」のような、怪しげな魅力を持つ「呪物」の講座を受講しに来たのですが、ここは都会の最先端の設備があるビルです。怪しくて変なのは、どう考えても「私の方」のようです。
席に座ります。受講生は女性が圧倒的に多いです。グッズのTシャツを着て来た熱心なファンの方もいます。しばらくして、講師の田中先生が登場しました。灰色のトレーナー上下を着ていて、服に「厚焼き」と書いてあります。超自然的な力を感じます。人生を挑戦的に生きている人だけが持つロックンロール的な人間力です。東京まで、はるばる来た甲斐がありました。
講義では、「呪物とは何か」から始まり、田中先生の蒐集した様々な呪物を実際に見ながら、呪物の種類や蒐集方法について講義を受けました。怪談師もしている先生のお話は大変面白く、呪物が、蒐集をしている人達の間で、驚くような高額で取引されている事や、知らない間に、ネットオークションで勝手に先生の名前を騙り販売をされていた嫌な思い出、偽の情報に惑わされた苦労、海外の珍しい文化や実情など、あっという間の90分の講義でした。
講義の後は、自由に間近で呪物を見る事ができました。お人形が多く、とても可愛いくて魅力的でした。しかし、これらは呪物で様々な悲しみや死にまつわる物語があるのだそうです。
私には呪いが見えないので、そのままの古いお人形さん達にしか見えません。でも、お人形さん達も、その他の呪物達も、とてもよく可愛がられているように見えました。怪談的なネガティブなイメージが、多い世界なのかもしれませんが、こういった古い人形や道具達に、様々な物語という付加価値が付き、色々な人たちの手に渡り、ずっと大切にされていく事は、とても素敵な事だと思います。
また、呪物には、人々のあまり公にしたくない気持ちを、実体化した物も多く、他人に見られないように秘密にしたり、処分されていく事もあるそうです。しかし、運良く残された呪物達を通して、呪物製作者や呪物を必要とした人々の願いや欲望、残酷さ、悲しみや苦しみを知ることも、大切な事だと思いました。
さて、講義を受けた私は呪われたでしょうか?効果は凄かったです。珍しい物を見た私は、朝5時に目が覚めて働き始めます。タケノコは、どんどん生えて来るし、親族が一杯集まって実家は賑やかを通り越して、大騒ぎです。天気も良いので、雑草がボウボウ生えてきます。草取りが終わりません。さすが、呪物です。謎のパワーが炸裂しています!