友達の一人が東京にやって来る。
前に会ったのは3ヶ月前の8月。
でもその前は10年以上前になる…んじゃないかなと回想したりするが全然思い出せないから区切りのいい10年としておこう。
大学卒業してからは近くに住んでない事もあり、最初のうちは年に数回くらいの頻度で会ってたりしていたのが、そのうち一年に一度くらい誰かが大きい飲み会や同窓会的なものを開いてもらうのに参加して久しぶりと挨拶をする程度に、そうしているうちに自ら連絡を取ることもほぼなくなり、5年や10年の単位でそういえば…と思い出す程度になる。
メールアドレスは携帯のキャリアが変わったり、住む場所やプロバイダが変わったりして不安だったりするので結局電話になるのだが、電話だと相手の生活のスタイルがどうだかわからないのでかけるのも億劫になる。
朝はまだ眠たいか、昼は忙しいか、夜は残業かはたまた誰かと飲んでいるか、邪魔にならないか、久々の第一声はなんと言えばいいのか、そんなことを考えているうちに
「まぁまた今度かければいいか」
となり、それが数年単位で降り積もっていく。
コロナで人と会うのも憚られていた期間もあったので、そういう規制が解除されてなんとなく連絡を取り久々にあったが、時間を感じさせない軽やかさがあった。くだらない話をして、大笑いして、数人でドライブしてお酒は飲まずに別れた。
そんな友達が東京に遊びに来ると連絡をくれた。さぁ、何してどこに連れて行って遊ぼうかとワクワクしていたら別の東京に住んでいる友達が
「あいつも他に会う人もいるだろうし、あまり無理言っちゃダメですよ」
とSNSで連絡してきた。わかってる、わかってるよ。もう大人だもんね。前みたいにズルズル遊べないよね。とか思いつつ、時間の隙間が見つけては何をしてどこへ連れて行こうかと考えている自分がいる。
せっかくだから小言を言ってきた東京に住んでる共通の友達も誘ってやろう。あいつも10年ぶり以上に会うんじゃないかな?どんな一言目を発するのかな。まずはお互いに苦笑いするんじゃないかな。お互いに老けたなとか思えばいい。そして会わなかった時間を話で埋めればいい。
週末まであと数歩。ちょっと楽しくなってきた。