最強の家庭用品は何か。多種ある家庭用品を使ってルール無しで戦った時、スポーツではなく『喧嘩』で戦った時、最強の家庭用品は何か。今現在、最強の家庭用品は決まっていない──
先日、ほぼ強盗なセールスマンが玄関から入り込み、住人のスマホを奪うという出来事があったそうです。
ヤバい奴はいるものです。こういう場合はもちろん逃げるのが一番ではあるのですが、そうはいっても逃げられない場合だってあるでしょう。戦うという選択肢もないわけではない。選択肢は多いほうがいい。
暴漢の侵入に備えて刺股を配備しているという施設は多いらしいですが、刺股は弱そう。先端を掴まれたらすっと抜けられてしまう。一応複数名であたれということになっているらしいですが、冒頭のような個人宅ではあまり役に立たない。わざわざ買うほどの道具ではない。刺股が役に立つのは、ちいかわのメルヘンな世界だけではなかろうか。
刺股が弱いからといって、短刀でも用意しておけばいいのかというと、そんなものが玄関に常備してあって応戦したら、あとで警察になんと説明したらよいやら。冒頭のケースで住人が短刀を振り回したら、どちらかというと住人のほうが詳しく取り調べを受けそうである。
個人が自己防衛目的で持つのに一番有効な道具は、ライオットシールドではないでしょうか。素人でも扱いが容易で、刃物からも身を守りやすいし、体重があるならそのまま体当たりすれば攻撃にも転じやすい。ただし、ライオットシールドは一般のご家庭には無い。
そんなわけで、家庭に常備してあっても不自然でなく、警察に怒られない程度の武器は何か、考えてみることにします。今回は防犯アラームのような補助的装備は除外しました。
(1) 傘
相手との距離がとれるので、刃物の相手にも比較的強い。屋外なら最強クラスだけど、狭い屋内では取り回しがやや難しいか。先端が細めのビニール傘なんかだと、下手に刺さると重傷もありえるので、過剰防衛には注意。評価A。
(2) レンチ
取り回しやすく適度な攻撃力がある。大きさにもよるけど、振り回せば腕でかばうくらいではガード不能の破壊力がある。威圧感もある。頭にさえ当たらなければ致命傷にはならないし、安全性も比較的高い(?)。ただし刃物には敵わない。評価B。
(3) 包丁
ご家庭の武器の定番といえばこれ。武器としてはとても強いが、攻撃力が高すぎて過剰防衛になりがち。自分自身も刺しかねず扱いが難しい。威圧感がありすぎて相手も刺されまいと必死になるので、それはそれで危ない。評価C。
(4) フライパン
定番武器その２。扱いやすいが、やや威圧感に欠ける。一撃必殺の威力はないので手数が必要。レンチより先端を掴まれにくいものの、それ以外は全体的にレンチに劣るか。平らな広い面が当たると威力が半減しそう。評価C。
(5) ダンベル
握りやすく、持って殴ればガード不能の一撃必殺の威力がある。使いこなすには自分自身の筋力が必要。でも、ダンベルを武器に戦えるほど筋力があるなら、素手でも勝てそうである。重いぶん一撃目を避けられるとつらい。評価B。
(5) 催涙スプレー
当たれば強いが、効果があるのは顔のみ。動く相手の顔に命中させるのは難しそう。日常生活で使う道具ではないので、家庭の手の届くところにあるのはやや不自然である。やはり対クマ向けの武器か。評価D。
(6) ボールペン
リーチが短く、威力も低い。刺さると痛いけど、行動不能にはならないだろう。逆上した敵に反撃を受けそう。目に当たるくらいでないと効果が薄いが、それはそれで過剰防衛気味である。評価E。
(7) 消火器
消化液噴射で中距離からの目潰し、近距離での殴打のコンビネーション攻撃が可能。目潰しが決まれば最強クラスで刃物にも勝てるが、安定はしなさそう。噴射には安全ピンを引き抜く動作が必要なうえ、殴打武器としては扱いづらい。評価B。
(8) ビール瓶・ワインボトル
瓶の首を掴んで振りかぶるとすっぽ抜けやすそう。中身入りだと持ったときのバランスが悪すぎる。割れると破片が飛び散り自分も危ない。割れた瓶はどうみても凶器そのものであり、もはやどちらが暴漢かわからない。評価C。
(9) 物干し竿
とにかくリーチが長く、扱いは難しいがハマれば最強クラス。屋内では無力だけど、屋外なら有効。常備といっても庭やベランダに置くしかなく、玄関先でとっさに持ち出すのは無理で、使い勝手は悪い。評価D。
(10) 自動車
冒頭のように玄関からの強盗であれば使えない。この中で最も使用条件が厳しいが、使える状況ならこの中で唯一刃物にも安定して勝てる最強武器。しかし敵を轢いたら明らかに過剰防衛だし、乗って普通に逃げたほうがよい。評価D。