3月はクリアしたものが1作もなく……31日が解けて消えました。毎日恐ろしいほど眠っているので、やりたいゲームが永遠と溜まっていく。2作品ともプレイ途中まで。
Unheard ー罪の代弁ー
レベル3まで終了。
ループものが大大大好きで、その延長で群像劇的なシチュエーションを繰り返しプレイする、というゲームが好きなので購入してみた。ループものが好きな理由は、好きなキャラのロマンティックな別れ様(や、死に様)を、何度も見ることができるため。今のところ、特にそういう性癖を満たしてくれる要素はなかった。
音を頼りに(主に点在する主要人物の会話を盗み聞きしながら)謎解きをする、というシステムは面白い。はじめは何のことを話しているんだか全くわからなかったことが、追跡する人物を変えて情報を集めることで「ああ!こういうことか~」と合点がいったときはスッキリする。
ただ、いかんせん暇。単純計算で、登場人物×1ループ分(5~6分とか)の時間がかかり、その全てが必要な情報というわけではないので、暇になってしまう。早送り機能もあるけど、コンセプト上、絵も地味なので視覚的に飽きる。
その分、音へのこだわりがすごい。同じ部屋でも、自分の立ち位置が遠ければ声が小さく聞こえるし、サラウンドにも聞こえている。スピーカーでもプレイには支障ないけど、イヤホンやヘッドホンを使った方がいい。
部屋をまたぐと、ドア越しの音が全く聞こえなくなってしまうのが少し残念。部屋を貫通する音がいくつかあり、それも情報を精査をするときのヒントにできるというギミックがあればもっと楽しそうだったな~という気持ちがした(今後のストーリーで出てくるかもしれない…)部屋を貫通する音が、雑音から意味ある記号へと変わっていく、という面白さを、The Sexy Brutaleで味わったので、それを求めているのかもしれない。The Sexy Brutaleは、クソ頻発ローディング(switch版)を耐えてでもプレイする価値のあるゲームなので、気になる人はsteamとかで買ってみてください。
OMORI
サイゴノ楽園に入ったところまで終了。
友人にも「やってなかったんだ」と驚かれた今更過ぎる神ゲー。本当に今更すぎる、どのツラ下げて……あの衝撃的なトレーラーが出たところまでは記憶があるんですが……と、思っていたらトレーラーがあがったの9年前だった。9年前!?
結論から言うと、気になってた~みたいな人は今すぐプレイした方がいいです。こんな記事もレビューもpixiv百科もTwitter(自称X)の検索も閉じて、ゲーム買ってください。ゆめにっき好きな人とかは今すぐやった方がいいよ。いわれなくてもやってるよお前以外。
とにかく作品への愛にあふれていて、だからこそ没入してしまって……悲しいし、進めるたびにドキドキしてしまう。
単純にホラー演出が怖いというだけではなく、妥協がない作りこみで、優しい夢とキャラクターに愛着がわいてしまったため、キャラクターにとってつらい現実を紐解かなくてはいけないのが怖い。それはそうとホラー演出も普通に怖い。あと2日の時点で、誰もいなくなった夢の世界に入った時に「この世界だけは私の味方じゃねぇのかよォ~~!!」と大人げなくビビり怖がり散らかしました、そこにいるマリすら怖い。しかしそもそも夢の世界も(初めから)味方なわけではないんだよな。
ホワイトスペースに、ゆめにっきリスぺクトを感じられて、本当に好きです。青春のゲームでもありますので……
以下、さらに雑多な感想と予想を箇条書き。
・OMORI、想像よりはるかにRPGで驚く
初見のイメージがあまりにもゆめにっきに引っ張られすぎていて、不思議世界をぶらぶらするゲームかと思っていたので一番驚いたポイントかも。めちゃくちゃ冒険&戦闘に放り込まれて、30分くらいしてから「おや?なんかおもてたんと違うな…?」と居住まいを正しました。ゆめにっきっぽいゲームなんだ!と思うよりは、MOTHERとゆめにっきが半々くらいのゲームと考える方が、ギャップが少ないかもしれない(そもそも〇〇っぽい、という風に作品を語るのも拙い話だけど)
ここまでRPGだと思ってゲームに挑んでいなかったため、初めは戦闘が正直(ちょっと面倒くさいか…?)と感じていたけど、感情バトルとか畳みかけとか、戦闘システム自体がしっかりとゲームの主題とマッチしていて、今はとても好きですね。
あと、単純に表情差分がめちゃくちゃ可愛くて好き。
・OMORI、想像よりはるかに立ち向かう話っぽくて驚く
青春のころに受けたゆめにっきの傷が癒えてなさすぎる。序盤の方は、オモリ自身からあまり湿度を感じなかったのも一因だと思う。対して、バジルの湿度がヤベ~んだ。
マリの「キミは日々強く成長してるんだから、大丈夫」「ほら、オモリ。ちゃんと向き合うんだよ」という言葉や、スペースボーイ船長の「どれだけ休んでも、心に受けた傷は癒えないさ。いつか乗り越えなくてはな」という言葉から、傷を乗り越える、という主軸がはっきりとにじみ出ている……と感じました(そしてこれがオモリ/サニーの見ている夢ならば、本人に立ち向かう意思があることも)
余談ですが、スペース元カレの話で「別れから立ち直るなんて、みんなやってることじゃない!」と話したオーブリーちゃん自身が、現実で立ち直れていないのは皮肉が効いていて、かなり切ない。
このシーン本当にびっくりした、マジかあ……ってなったよ。ただ、派手髪でヤンキーな見た目になってしまっても、ピンクが好きなのは変わらないところに、幼少期の面影を感じてかわいいやら切ないやら。よくよく考えたらトレーラーにでてたのに、全く覚えていなかった。関係ないけど、トレーラーから本作までに、絵がさらに可愛くなっていてすごいよね。
・ヒロ&ケルの家庭になにもなかった
とんだ詐欺だよ、特にヒロ!!パジャマみたいな恰好してるから、絶対現実では病弱だろ(体力もないし)と思っていたのに、本当にただ体力がないだけだった。料理好きとか、注目を集める気質とかから、機能不全家族か?ケアラーか?ケルを虐待から守ってる??とかなり心配していたのに、本当にただの料理好きでイケメンなだけだった。なんだよコイツマジで~!
この兄弟がマリの事から比較的立ち直れているのは、家庭内環境の良さを表しているようで好き。人の死を受容する過程を、家族で乗り越えられた結果なのかな~と思える。ここが、同時期に家族?にトラブルがあったらしいオーブリー、そもそも両親が傍にいないバジルは、うまくいかなかったと思われる。そしてサニーには、マリの死以外になにかがあったのか。
このお泊り会のドット本当に好き。こういった細やかなキャラへの愛情が、後々ボディーブローのように効いてくる。
・名前
ヒロとケルってあだ名なんだね!?オモリもあだ名なのか?と考えていたんだけど、あだ名をピアノに書くかなあ?という思いもあり…
・マリの死因
序盤のバジルの回想と、オモリ/サニーは高い所が苦手という状況から、階段から転落死したものだと思い込んでいたんだけど、どうなんだろう。
後々出てくる図書館内で、サニーが高い所や水が怖くなったのは、ケルに誘われて水へ飛び込んで溺れかけたから、というような描写もあるし、黒く塗りつぶされた譜面が出てくるシーンでは、首つり紐があったりと、それ以外の死因を示唆するような要素もあるので、断定はできないのかな?
マリと2人で歩く場面では「膝が悪いから、もう少しゆっくり歩いてほしい」というセリフが聞けるので、階段から落ちたことがきっかけで膝を悪くしてしまった、という可能性も考えられる。その後、事故が人生に大きな支障をきたしてしまい(例えば楽器の演奏が思うようにいかない、など)自死してしまったとか。
・サニーの両親
両親…というか母親しか出てきていないんだけど(しかも電話)、父親はいるんだろうか?いるけど作中ではあまり登場しないだけなのか、離婚した(もしくはそれに近い状況になっている)のか……部屋も、セーブデータによると「両親の部屋」ではなく、「お母さんの部屋」なんだよね。1階にも空き部屋があるけど、両親の部屋が上下で離れている配置って少し違和感。部屋の大きさも踏まえて、膝の悪いマリの部屋といわれた方がしっくりくる。母親の声が電話でしか聞けないけど、それは単にMOTHERシリーズのオマージュという感じもする。
マリの死に対するサニーのふさぎ込みように関して、母親があっけらかんとしすぎな気もする。これに関しては、
①単に子供の前だから気丈に振る舞っているだけ
②マリが実子ではない
③表向きはただの事故だが、実際はなんらかのトラブルがあり純粋な事故ではない。それに子供たち(とくにサニーとバジル)が関わっていて、親には内緒にしている。
のどれかなのか?と思っています。
・バジルの意味深な発言
バジル、ず~~っと不穏なキャラなんだけど、唯一サニーと同じものを見ている感じがある不思議ちゃん。2人だけの秘密の共有をしていそうなベッショリとした湿度を感じる(怖い)
これマジでどういう意味?怖すぎ。
二人がなぜか共有している化け物(トラウマ?)から逃げられない、ということを話しているのか、もっと現実的な恐怖の対象がいるのか。
例えば人間だとすれば、サニーの父親とか?と、考えているんだけど、う~んピンとはこない。サニーの父親に関しては、サニー自身が感情を表現をするときに結構、嗜虐的な表情を浮かべることが気になっていて(イライラは、もちろんだけど、ニコニコもかわいげない顔するよね?サニー)フツーに笑顔が下手なだけならいいんだけど(失礼)家庭内で暴力的な行為があったりするのかなあ?とかは考えてました。マリがサニーをかばうようなセリフが多いのも、虐待が起因しているとか?と考えたり。ただ、OMORIってそういった刺激的・露骨な悪意って今まで登場していないので、ちょっと違うかもなあ~と思っています。今のところOMORIの辛さって、誰かの悪意というより、ボタンの掛け違えで起きた悲劇、みたいなニュアンスが多いので。
あと、サニーの父親が原因だと、バジルとの関係が全然思いつかないので、そういった意味で共通のかかわりある人となると全く思いつかないんだよね。
大穴でマリとか……(亡くなっているはずなので、もう逃げようがない、の意味がわかりかねるけど)マリは行く先々でのセーブポイントや回復ポイントになってくれて、会話の節々からもオモリたちの大きな支えになってくれている。だけど、それと同時に常に先回りされている状態だったり、2日目の誰もいなくなった夢の世界でのマリの挙動といい、少し不気味さを残す存在でもある。ただ、プレイヤーの所感としては圧倒的に安心感の方が強いので、マリが恐怖の対象になるっていうのは考えにくいような気がする。やはり概念的な恐怖から逃げている、ということなのかな?