酒は飲まねど吞まれている
先輩を酔いつぶせ!
そんなアッパーな煽り文句で、人死が起きるとは思わないじゃん。
ここ最近プレイした短いゲームの中で特にお気に入り。パラメーター変動×会話という組み合わせのシステムは、ゲームでよく見かける構図なんだけれど「先輩に渡すお酒(アルコール度数)によって会話内容が変わる」という、システムと数値を変動させるためのシチュエーションの、マッチングにかなりの納得感がある。
会話内容も、全てが話の核心(つまり罪を犯したあの日!)に迫るわけではなくて、2人の人となりが知れる話題がたくさんある。なににもならない・どこにも着地しない話が多く、それを許し合っている優しい2人ということが知れて暖かい気分になったりする。
ゲーム内で全ての謎が明かされるわけではないので、真相はわからないけれど、私の中では「2人は恋人同士(もしくはほぼそれに近い状態)だったが、先輩のストーカーに後輩が殺害されてしまった。後輩を生き返らせようと悪魔と契約した先輩だったが、後輩の記憶が欠落しており、それを取り戻すために役者の足りていないあの夜をムリヤリ補填して、何度も繰り返して後輩の人格形成をやり直している」という解釈で落ち着きました。
付き合ってるのか!付き合ってないのか!どっちなんだい〜!?みたいな感情に揉まれたんだけども、当人らは、恋人じゃなくてもいいから一番大切な人でありたい、という感情が一番近い気がする。
とりあえず酔っ払ってる先輩可愛くない?理知的な人ほど、乱れた姿が見たくなる。へへ……
就労!アクマ・デ・カンパニー
次回作の「就労!!わんわんヒューマン」が楽しみすぎてプレイしました。たった10分で摂取できる癖・友情・裏切り!という感じで、一瞬で終わる、天才の顔面を眺めるゲーム(絵が良すぎ)
本作も楽しかったんだけど、次回作に続いている要素が多くて、体験版やっているときにめちゃくちゃテンション上がった。モル男(子)がエンジェルエンタープライズでスパイやっているので、ED3が正史なんだよね、多分。
余談だけど前作主人公と他者として接したとき、男モルモさんがド癖すぎて笑っちゃった。わんわんヒューマンの尋問では、どうやら「悪魔じゃない」という事もウソらしいので、どこまでもキナ臭い前作主人公ではある。カツサンドが好きなことだけが真実。
次回作、女攻めと尊厳破壊の波動がすごくて本当に楽しみ~
「教育」と称して、勝手に人を犬に変えておいてこの言いざま。最高。
1f y0u're a gh0st ca11 me here!
並行電話処理ゲーム。難しそうに見えて何度かトライすればクリアできるいい塩梅の難易度。100本ノックをクリアするくらいには面白い。電話の内容は決まっているので、覚えてしまえばどんどんクリアしやすくなるのが楽しい(その分、クリアできるほど繰り返してしまうとその後のリトライ性はない)
ストーリーも全容は明かされないけど、しっかりと根底に色々な設定はあるんだろうな~というのが見え隠れしていて、起承転結もある。ただ、出てくる人物大体いい人&主人公も苦境に負けずに頑張る天真爛漫な女の子、という配役であっさり味なので、メインはゲーム性という感じ。
さりげなく電話の内容がめちゃくちゃいい。ゲーム中にゆっくり読んでいる時間がマジでないので、録画して読もうかと思っていたくらいなんだけど、なんと!公式がコミュニティに全コール一覧を載せてくれている。福利厚生~!死者からの電話なので当然みんな死んでいるんですが(?)せ、切ない……と思うような内容から、クソお気楽電話もあって、良い……
生前と同じようにふるまおうとしてそれができなかったり、生者の時間だけが進んでいき取り残されていることに気が付いたり……漠然と「このままでいい」と思っていたけど「このままじゃだめだ」と思い立ったような電話が多くて、狂気と諦観に呑まれてしまった人が不意に見せる正気、みたいな切なさがある。私は二次元の死にえっちを感じる性癖の持ち主なので、電話から得られる栄養でメチャ健康になった(最悪)多分これ処方して元気になる人ほかにもいるよ。
未解決事件は終わらせないといけないから
12年前に未解決で終わった、少女行方不明事件の真相を明かすゲーム。
主人公が当時聞いた証言を、思い出す形で話が展開するので、話者と時系列がぐちゃくちゃというのが面白い所。証言内のキーワードをきっかけに、別の証言を思い出し、その証言の『話者と時系列』を整理する、という永遠と供述整理を行っていくゲー。話者まで不明瞭という推理ゲームは結構珍しくない?私がそんなにゲームやってないだけかも。
SNSチックなUIがいい。このゲーム、ミステリ以外の情報がかなり削がれている印象を受けるんだけど、それを補強しているのがこのSNSっぽさだと思う。説明されなくても、通知ドットがついていたら新しい情報だという事がわかるし、ハッシュタグらしくなっていたらそれを押すことで類似の情報が出てくることがわかる。わざわざ理解しにいかなくてもなんとなくわかる、という強みが、煩雑な印象を抑えていて、膨大な情報を目の前にしてもストレスが少ない。
プレイしているとまあまあ全員怪しいんだけど(笑う所)全員が誰かを貶めようとするウソではない所がとてもよかったし、プレイ後の清々しさにつながっていたな。引っ掛かりのあるタイトルも意味が分かると、あぁ~となる。優しくてもウソはウソだから、いつか終わらせないとね、という……
個人的には貴子さん(祖母)の証言の「就学通知書」辺りが、聞いているだけで、胸がギュッとなった。誰も悪くない…ことではあるんだけど、その手紙を受け取った2人の気持ちは察するに余りあるなあ