2、3日前に顔が大好きで推している声優さんが夢に出てきた。最後に彼が夢に出てきたのは去年だ。
そのときは、初デートで遊園地に行って、緊張してしまい、でも彼にどうしても触れたくて「腕、にぎってもいいですか?」と訪ねるという、私の可愛らしさ、いじらしさがにじみでてしまった夢だった。
彼の顔があんまりにも好きなので、こんなに好きになったら苦しくてたまらないと思い、一時期彼のSNSを見るのをやめていた。(彼もあまり自撮りをしないし、最近アニメや吹き替えの仕事も減っているので直接現場に行かない限り今どんな髪型なのかも把握できない)
私が一番好きだった、茶髪のときの彼が、私の実家(?)らしきところにいて、父親も他の部屋にいた。それまで私は自分に自信がなくて、「自分は彼のなんなんだろう?彼女なのかな?でも、遊びだと思われてたら嫌だな」と思っていたが、私が彼と私の実父がしゃべっているのを扉越しに聞くと、「僕は、彼女さんを、大事にしたいって思ってて・・」とはにかみながら言っていた。
彼女さん。大好きで大好きでたまらない彼の、彼女さんなんだ。その言葉を聞いた瞬間、ひどいうつ病でずっしりと石のように重かった心が羽のように軽く、不安神経症もなくなり、舞い踊りたくなるような幸福感にみちみちて、
「ああ、あたしの人生の苦しみはずっと、このためにあったのね」と泣きそうになった。
すると突然目が覚めた。
父親もいなければ推しもいない部屋で。私を幸せにしてくれると照れながら言ってくれた推し。福岡出身の32歳、演劇を志し上京、25歳の遅咲きデビュー、ちょくちょく大きめの作品の売れない方のキャラクターの中の人「あーあのキャラねw」、担当していたラジオ番組は一昨年にいきなりすべて最終回、一緒にラジオで掛け合いしていた大して仲良くもなさそうな年下の声優が事務所に押され今や少年漫画原作の主演級の仕事をバンバン、そんな中私の推しは地味な朗読劇、もはや朗読以外の仕事がない、写真集売れば?と思うがどうやらあの顔は私が好きなだけで一般的に人気な顔ではない(信じられない)、彼の好きなブランドの服を貢ぐために始めた仕事、3週間でトび、自殺未遂、薬を飲みながら書いた涙でぐちゃぐちゃのファンレター、「お金のないファンでごめんナサイ、お金がないファンなんて生きてる価値ないですよね、だから次はもっと高いのプレゼントしますね」LINEのIDまで書いて送った枚数は。
私は電源が自動オフされるタイプの電気毛布にくるまって声を上げて泣いた。
咆哮だった。
私は死にたかった。でも君の顔が好きなんだ。君の芸術的な顔が見たくて、まだ生きてるんだ。
どうせ金持ちの女に養われて生きることくらい馬鹿でもわかる。でも、君の・・君の顔が、笑顔が本当に好きで、たまに、自分のものにならないならいっそと考えてしまうよ。君の人間性も喋り方も性格も全部どうでもいい、顔が好き。顔が好きだ。だから、はやくその顔がめちゃくちゃになってくれ。私は私の所有できない美しいものが本当に嫌いなんだ・・・・・・・