Amazonで購入した加湿器が届いた。
毎朝乾燥で目が開かなくなる。
私は
自動化された人間になった。
感情があふれないようになった。
全部わかったから。
この人にこういうことを言えば、こういうようなことを言ってくるだろうということも、
それはたとえば、
異性愛者の男性であれば、たいてい、こうで、女性であればこうで、ゲイであれば、とか、高学歴であれば、とか、私の目を見つめる秒数が長い人であれば、とか、自分を繊細な詩人と勘違いしている凡人であれば、とか、軍事オタクであれば、とか、ニチアサでしか興奮できない成人であれば、とか、心理学にのめりこみすぎた人であれば、とか、覚醒剤中毒者であれば、とか、
細分化して、彼らは、AIのように想像通りの返事をしてくる。
都会の電車が時間通りに到着するように、すべてわかりきった毎日が、同じように繰り返されて、同じような悩みを吐き出して、同じような慰めや、誹謗中傷が返ってきて、それらはノベルゲームの選択肢と同じだ。
誰も特別じゃなくて過去にあったものを加工しているだけ。
食べ物の味も、この食材と調味料を使えば、それは再現されるし、植物も、種をまいて同じように育てれば、同じ季節に同じような草花が咲くし、この作家であればこういうような文章を書くだろうし
でも一つわからないことがある。
村田らむと大島てるの対談で、村田らむが富士の樹海に行ったら、
自殺志願者が自前でロープなどを用意せず、そのへんにぶら下がっている、すでに誰かが使ったであろうロープを使って死ぬ人がいるそうだ。
「自分で準備するならまだしも、他人が用意した、適当なロープで死ぬっていうのは、よくわからない心情ですね」
私にもいつかわかる日がくる。