会社のビジョンや製品のコンセプトをつくるときに陥りやすいのが、正しくて誰が見ても反対意見がないような言葉になってしまうことだ。
例えば「豊かな社会の実現」とか「お客様の課題を解決する」といったものだ。とても正しいし反対意見はない。ただし、だからこそつまらないし記憶に残らない。
コンセンプトを考えるときに大勢で集まって会議で考えると尖ったところのない無難なものができることが多い。参加者の意見を少しずつ取り入れたり、反対意見があったときに調整してしまうためだと思う。
そもそもなぜ会社のビジョンや製品のコンセプトをつくるかというと、関係者がその旗に向かって進むためだ。その旗印が曖昧でよくわからないものになってしまっては本末転倒だ。
コンセプトをつくるときは多少の反対勢力があったとしても、実現した状態をイメージできたりコンセプトを実現するために何をすべきかがわかるようなものがいい。
お題目だけの言葉はむしろない方がいい。
人がつくったものに対しては客観的に捉えられるのだけど、自分がコンセプトをつくる当事者の場合は結構陥ってしまう罠なので気をつけたい。