私は今、時間で働いていない。
結果的に「時間単価いくらでした」と計算しようと思えばできるけど、「1時間あたりいくらで働いてください」という仕事は受けていない。
よく考えてみれば、新卒で初めて就職した会社も「時間」で働いていたわけでないように思う。
普通の会社といえばそうなので、始業時間はあったし、朝礼があって定例ミーティングもあった。
一方で、終業時刻に関しては割とゆるくて「少なくともこの時間までは働いてね」という時間は決められていたが、それも「直帰」としてしまえば関係なかった。
さらに、就業時間中は営業に出ているわけなので、外出先で仕事をしているのかカフェでお茶しているのか、あるいはどこかの立体駐車場で昼寝しているのか、会社は把握しようがない。
極端な話、数字さえ出していれば注意されることはなかった。
その後、また別の営業職に転職し、そこは9時から18時の定時があったから最初の会社よりは「時間で働く」というニュアンスは強かったものの、でもやはり外出先で何をやっているかは自由だった。
立体駐車場に車を停めて昼寝したこともあるし、「のぞみ」を使えば30分で行ける距離を、あえて「こだま」を使って1時間かけて移動するのが好きだった。
今はどうか知らないが、当時は「こだま」の7〜8号車はシートが指定席と同じ2+2の4列で、自由席なのに広々と使えるからよく乗車していた。
こう書くと、よくサボっている人に見えるかもしれないが、まあ実際のところよくサボっていた。
それでも社内で私のことを「よくサボっている人」と認識している人は少なかったと思うし、社内外から比較的信頼を得ていた(、と思う)。
とにかく、最低限の数字は出していたし、時々大きく跳ねていたのもあって、上司から時間の使い方を指摘されたことはない。
フリーランスになった理由は色々とあるけれど、会社員に転職できなかった理由のひとつは確実に「時間で働くことが難しい」ということだった。
最近、登録しているクラウドソーシングサイトから「時間単価○円」という仕事のスカウトが届くことがある。
業務内容を見てみると、確かに私にもできるかもしれない、もしかしたら得意かもしれないと感じる仕事を見かけることもある。
しかし、「月曜日は○時間以上」とか「平日9〜18時のうち5時間以上」とか、あるいは「「月末月初は○時間/日以上必須」とか。
フリーランスになったのに、その働き方はできないな…と思って、応募には至らない。
ここから言えることは、つまり私には「時間的自由」が必要なのだということ。
働くにしたって、何時から働くか、何時間働くか、自分で決められない仕事はしたくないんだと自覚した。
この話に結論はない。
私はこうだというシリーズのひとつ。