今日から日記を書き忘れた日は、禊としてタメになる言葉を記すことにする。
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”これはほんとのことだけど、ひらめいたっていう瞬間なんてないんだよね。僕が一番つまずいてしまった点だったな。
いまになっても、僕はまだ自分をデザイナーと呼ぶことに抵抗があって、それは、デザイナーは僕のような格好をしないと思い込んでいたからなんだ。僕にとって最大のハードルだった。今日伝えたかったことのメインとも言えるんだけれど、ハードルの大部分は自分で課したものなんだよね。そんなものは実際には存在しない。失敗も存在しない。
失敗なんてハロウィンの幽霊みたいに実体がないんだ。デザイナーというのを、僕は以前こんなふうに考えていた。
「普通に会社で働いて、大きな建築事務所のアシスタントになる。週末にはDJをやって、シュプリームのシャツを着て、トラヴィス・スコットのショーに行く」みたいにね。
「9時5時の生活一一人生ってそんなもんだ」って。で、ひらめきの瞬間が訪れた。「待てよ、僕は作品を世に送り出すことができる。よければうまくいくし、よくなければ誰も気づかないだけだ。そうこうしているうちに、よくなっていくんじゃないか」ってね。そのうち友人やブランドと巡り会うことができて、「あのさ、ちょっといいアイデアがあるんだけど」ってなってきた。それが現実なんだ。僕はそんなことをいくつか伝えたくて、ここまで飛んできたんだ。あとは君たちが実際にやってみてくれたらうれしいよ。”