春は別れと出会いの季節だ。
社会人になってから、3月や4月に異動や退職はあるものの、そこまで感傷的に人の移ろいを感じることはなかった。
しかし、家庭で育児をして子どもが大きくなるにつれて、幼稚園の入園式を迎えた頃からググッと環境が変わる「春」を感じ始めた。
この春、長女は幼稚園の卒園と小学校の入学を迎える。
園服が大きくて袖上げをしていたあどけな過ぎる入園式から3年。
あっという間に袖上げの糸をほどき、今では園服が小さそうだ。
幼稚園生活はコロナ禍から始まり、年少さんの頃は突然休園になることも多かった。通園のバスの中では喋ってはいけなくて、給食は黙食でパーテーションが置かれていた。よくわからないけど社会から緊迫感を感じ取り、多少なりともストレスを感じていただろう。
いつの間にかソーシャルディスタンスはゆるゆるっとなり、年長さんになることにはコロナ前の生活にだいぶ近い状態で過ごすことができた。
だが、親子遠足はなくなってしまい、コロナをきっかけにして縮小されてしまった行事もあった。
それでも楽しそうに幼稚園に通えて心の底からよかったと思う。
幼稚園生活が終わってしまうことに寂しさを感じるが、来月には小学校生活が待っている。半年ダンボールの中で眠ったままの新品のランドセルを出し、ピカピカの一年生として通学生活が始まるのだ。
ひとりで行けるかな。
友だちはできるかな。
少しずつ離れていきそうな子どもに一抹の寂しさを感じるも、新しい生活とはワクワクするものである。