ずっと気になっている映画、漫画、ゲームがたくさんあり、そのうちのひとつにクロノトリガーがあった。
酔った勢いでiOS版を購入。1600円。小学生のときはゲームを買うのも一大事だったのにいまや指先ひとつ。
以下は断片的なメモ。
中世にいって「風の憧憬」が流れてきたときはうれしかった。子どものころ、midiでよく聞いてたやつだ。(当時、YouTubeやニコニコ動画はなく、個人サイトでみな思い思いにアレンジしたゲーム音楽をmidiやmp3で配布していた)
未来編は本当に気が滅入った。グラフィックも音楽もやたら陰鬱。バージョン2.0(敵モンスター)が近づくと「ブーン」という低い音が流れるのもいやだった。
エナボックスに入ったときのセリフもなかなかに重い。
時間を行き来できることを利用したギミックはかなり好きだった。何百年も光に当てないといけない太陽石をすぐに入手したり、飲んだくれていた冒険家のトマが、未来では墓を建ててもらっていたり。
印象的だったサイドクエスト。中世、砂漠の緑化活動をしているフィオナという女性に会う。ロボが「400年間仕事を手伝う」提案をし、一時的にパーティから抜ける。
中世からすぐに現代に移動すると、砂漠がしっかり森になっている。スリープ状態のロボがいて、話しかけるとパーティに戻る。
ボロボロになったロボが一言、「あなた方には一瞬のことでしたが、私にとって400年は長い時間でした」と話す。そうだよなあ。
便利すぎて、ゲーム内では時間旅行の感覚もなく簡単に行ったり来たりしているけれど、シルバードのひとっ飛びの間にはたくさんの人間の膨大な時間の蓄積がある。
グラフィックもよかった。ドット絵好きにとっては、大きいサイズのボスの書き込みは興奮するものばかりで、やたらスクショを撮ってしまう。シンメトリーな構図が美しい。
風景もきれいなものが多い。最初に「あっ」と思ったのは、主人公が牢獄から脱出するところ。
息の詰まる薄暗い牢獄から、穴を抜けて出ると遠くの山が見える。ストーリー上はピンチなんだけど、世界は静かに美しくそこにあるということになんだか感動してしまった。
クロノトリガーの魅力の一つは、ちょっとした裏切りみたいなギミックがたくさんあることかなと思う。セオリーを少し外しているところ。
例えば魔王が仲間になるとか、伝説の剣(グランドリオン)がわりと早い段階で手に入る上、主人公装備ではないとか。王道だとやらない展開が多い。ちょっと捻くれてて、でも嫌味じゃない。
セーブポイントだと思って話しかけたらモンスターだったやつが結構好き。
最後の最後、ラスボスまでちょっと裏切ってきたのはニヤリとしてしまった。そっちがラヴォスコアなんかい!というやつ。しかしデザインかっこいいよなあ。
もしかしたらこういった仕掛けはクロノトリガーが初めてではないのかもしれないけど、ゲームに疎い人間には新鮮だった。
iOS版でちょっと残念だったのは、やっぱり少し操作性が悪いこと。それから、フォント滑らかだったり、グラフィックが変ににアップコンバートされててドットがぼやけてしまっていること。カリカリの1px1pxを見たいのに。これが一番つらかった。
それを差し引いても1600円でこんなに楽しめるのはすばらしい。
欲を言えば、子どものころにコントローラをガチャガチャしてブラウン管でやっておきたかったなあ。シルバードがあれば真っ先にスーファミとカセットを届けにいくんだけど。
おまけ。好きな装備はヘイストメット。ザコ敵をざくざく切り伏せるのが楽しい。状態異常耐性が欲しいのでノヴァアーマー。反撃してくれる怒りの腕輪、激怒の腕輪には大変お世話になりました。