型が中身を超越している ヒカキン結婚報告動画

ddd
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HIKAKINの結婚式の動画を見た。

新年からなんというもの見せてくれるんだろう。

HIKAKINが100個のアクティビティを行い、1つ10秒前後で数珠繋ぎにしていくいう動画だった。

YouTuberのメインストリームを知らない自分でも「あ、これは流行ってたやつだな」というモチーフがいくつか出てくる。

例えばベタなところでいうと、1000度の鉄球でチョコレートを溶かすとか、アルミホイルでピカピカの玉を作るとか、激辛ソースを舐めるとか、シュールストレミングスを食べてみるとか。

HIKAKINのチャンネルお馴染みのモチーフも出てくる。ヒューマンビートボックスとか、フォートナイトとか、パズドラとか。テレビ出演したときの本歌取りで逃走中パロディもあった。

そんなのがYouTubeショートよろしく100連発続く。すごいなあと思った。

この人はYouTuberというよりYouTubeそのものだ。HIKAKINなりの「自分らしい」結婚報告をしているのだと思うけど、彼にとっての「自分らしさ」はYouTubeカルチャーそのものなんだなと思った。

メントスコーラとか、スライム風呂に入るとか、YouTuber特有のパターンがある。YouTubeに新規参入者が増えていたころ、駆け出しのYouTuberは必ずメントスコーラをやっていた。

このHIKAKINの結婚報告は、ただひたすらそういったパターン、型が続く。たくさんの人が模倣して散々こすってきた型が100連ずーっと続く。

その間、HIKAKINはずっと「結婚しました!」と叫んでいる。叫びながらバンジージャンプしたり水中に潜ったりする。結婚報告の言葉がだんだん薄れ、アクティビティに見入ってしまう。明らかに主張と手段の主従が逆転している。

単なる「型」ではあるけど、ここまで私を消して型に奉仕し、積み重ねられるとすがすがしい。

「夥しい数のスーパーボールを頭から降らされる」なんてなんの笑い要素もないし、実用性もなく、(言い方は悪いけど)中身がない。ただ画力(えぢから)はある。そして見たことあるパターンだから脳が喜ぶ。そういう映像がずっと続く。

何人ものYouTuberがやってきた型、それをHIKAKINだからできる潤沢な予算でスケールアップし、100個も突きつけられると何かが芽生えてくる。なんだかすごいものを見ている気持ちになる。結婚報告という目的から離れ、演舞を見ている気持ち。

アクティビティが結婚報告を食っている。

型が中身を超越している。

動画自体が1つのYouTube史、カルチャーの記録になっているところもすごく良かった。そしてそれを作っているのが他でもないHIKAKINということも。

@ddd
音声入力を使いながら、ふと思い立ったことを書いてみます。