時計

倉田タカシ
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 キッチンには時計がなく、カウンターをはさんだ居間の壁にはある、というセッティングで数年くらしておりました。この時計の位置があまりよくない、というか、カウンターの開口部が低すぎて、キッチンから居間の時計を見るには、ぐっと身をかがめ、頭を低くして覗き見るようにしないといけません。朝、弁当を用意しつつ子どもを急かすというようなときに何度もこの動作をしなければいけないのに嫌気がさして、ついに小さい時計をキッチンのカウンターの上に置きました。……でも遅かった! 居間を覗き込む動作が完全に定着してしまっていて、時間を確かめるときにかならずそれをやってしまう。そのたびに、ああ、またやってしまった、と思う。食器を洗うために蛇口を開く動作のついでに身をかがめて覗き込む、とか、さまざまな動作との組み合わせでスムーズに無意識にやるように定着していることにも気づかされました。動作をなかなか上書きできない……小さい時計を置くまえよりもフラストレーションが大きめになっている!! 以上で報告を終わります。

(あと一か月ほどで上書きできるのでは…? まあ、すでにふた月くらいは経過しましたが…)