志村蔵(しみゅらくら)という名字のキャラクターはどうかしらと思いました。こういうしょうもない当て字の名前を考えるのが好きなのですが、作品に使えたことがない…
村を「みゅら」と読ませるのに無理がありすぎてとても気に入っています。八つ墓村(やつはかみゅら)。みゅらびとこぞりて。
1987年の映画「村人こぞりて」(こっちの読みは「むら」です)は、江戸時代からクリスチャンが暮らしてきたある村を舞台にした、ハートウォーミングなクリスマス・ストーリーの佳作として知られています。
ときは現代、例年どおりのクリスマスが近づくなか、おそらく江戸時代のものであろう、かぎりなく観音像に似せて作られた聖母像が発見されるのですが、それが山の底の巨大洞窟のなかに掘られた高さ数十メートルの磨崖仏(仏じゃないけど)で、たまたま旅行で訪れていた文化人類学者が「これは……!!」と息を呑む場面があります。全体としては心温まる日常ドラマです。聖母像が憤怒の形相になって洞窟から歩み出て、なにかを追いちらしたことを記す古文書も発見されます。なにを追いちらしたのかは、肝心なところの紙が崩れていて判読できません。このエピソードもとくに本筋にはからまないので大丈夫です。エンドロールには、山の向こうから手をふる観音像にむかって登場人物たちが手を振るカットがあって、ここが一番の感動ポイントでした。メインのストーリーを思い出せないな……。