We are the Robots なんでかな

倉田タカシ
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Kraftwerk - The Robots

 クラフトワークの。

「We are the Robots」の歌詞のあとで、ポン・ポポポン、とメロディが入りますけど、ここに「なんでかな」と日本語を入れるのが好きです。

 We are the Robots なんでかな

 We are the Robots なんでかな

 We are the Robots なんでかな

 We are the Robots なんでかな

 なんでかな。懐疑をいだいていてほしいのかな。自身の存在に。

 エンタメ系のフィクションにおけるキャラクター類型としての〈ロボット〉に対しては、個人的に愛憎相半ばするものがあり、なんか、エモいのはわかるし、自分でもそのエモさを作品に用いることもあるのですが(『うなぎばか』所収の「うなぎロボ、海をゆく(Web公開あります)」など)、もはや人魚や鬼と同様のおとぎ話的なクリシェの範疇にあるものと思えて、(あくまでも書き手としての自分のポリシーの話ですが)狭義のSFを書くときには禁じ手としたい気持ちが強いのです。もちろん、このロボット類型を用いたSFの傑作は近年にもたくさんあると思っていますが。

 「ロボット」というミームは、フィクションを親にもち、また、奴隷の概念を拡張したものであることで、じつは現実の自律機械全般の発達と普及にとって大きな足かせになっているんじゃないか、というのが持論です。自律機械が意思・自我を有するようになるかどうかはまったく不明なのに、それが当然の前提であるかのように受け取られがちなので、過大な期待や恐れの対象になってしまうことがよくあると思うのです。現実の自律機械にはロボットという総称を用いるのをやめて、かつ、自律性の度合いや用途に応じていくつかの呼称を使い分けるといいのではないかとつねづね思っています(パンにバゲットやクロワッサンやフォカッチャがあるように)。無理だとは思うんですけど……。

 アルバム「Man Machine」のなかではNeon Lightsが好きです。後半の気持ちよさは何にもかえがたい……なんであんなに気持ちいいんでしょうか。

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