関東平野に山はない。高く連なる険しい山は。あるのは川である。太く、細く、きらきら光る。うちから東京の会社まで、電車に揺られて窓を見やる。電車の速さでも数秒続く、大きな川に私は見入る。波の細かい模様ごとに、朝の光を反射する川。脇を通る太い道路、犬の散歩をする人やロードバイクで走る人。見る間に川は遠ざかり、光のなごりがまぶたに残る。そうして電車は地下に潜る。川を夢みて私は眠る。由ぼーっとしています