[0709]南武線沿い

DFgP / 呉田ザクレロ
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公開:2025/7/9

焼けつくようというよりは、湿気含みのねちっこい暑さのようだ。ありがたいことに今日もだいたい平穏な一日で、帰り際にお客さんからメールが飛び込んできたが、それは願ったりの一報なので帰宅して御礼の返信をしておく。


※ネタバレあり

『テスカトリポカ』、重さは323g、今日はかばんにしっかりと入れて電車のなかで涼みながら読んでいった。

メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。生き残った三男のバルミロは、追手から逃れて海を渡りインドネシアのジャカルタに潜伏、その地の裏社会で麻薬により身を持ち崩した日本人医師・末永と出会う。バルミロと末永は日本に渡り、川崎でならず者たちを集めて「心臓密売」ビジネスを立ち上げる。

一方、麻薬組織から逃れて日本にやってきたメキシコ人の母と日本人の父の間に生まれた少年コシモは公的な教育をほとんど受けないまま育ち、重大事件を起こして少年院へと送られる。やがて、アステカの神々に導かれるように、バルミロとコシモは邂逅する。(Amazonサイトより)

初っ端はメキシコ・シナロア州の州都クリアカン(外務省から注意喚起がでているところだったりする)。麻薬組織が牛耳る町から、17歳の少女ルシア・セプルベタは脱出を図るあたりからこの話ははじまるが、あっという間に物語は彼女の息子コシモ(小霜)へと主人公バトンタッチする(しかもルシアはヤク中になって自分の息子に殺される。彼女、そんなに悪いキャラじゃなかったと思うんだけどな)。

しかも舞台は川崎だ。川崎区から高津区、中原区。南武線沿いが舞台になっている。いやあ、ウチの近くじゃん。

@diablo
呉田ザクレロ(呉田 朔空)/ Dexter Franciscocity goes to Paris. dragonfly manufacturing 主宰。 通信制大学の文学部で哲学と思想を専攻していることになってます。