よくある「どの指でどの鍵盤を押すか」の話をしても何の面白味も無いので、どういうときにどう困って、どう解決していったかを時間軸に沿って殴り書きしてみようかと思います。現在の運指の話も含まれるので自ずと「どの指でどの鍵盤を押すか」に関する話も出てきますが、どう解決していったかに何かしらのヒントがあるんじゃないかと考え、本記事の読者にそのヒントを与えることが出来ればと思っています。
※大半が主観的な部分なので参考程度に
アジェンダ
DP八段くらいからDP十段くらいまで
DP皆伝挑戦レベルから現在まで
以降、運指の話については利き手である右手側の話を前提とします。
1. DP八段くらいからDP十段くらいまで
DP八段だった頃、認識していた運指は以下くらいでした。
12467 / 親人中薬小 (ホムポジ)
1357 / 親人薬小 (白4コ)
246 / 人中薬 (黒3コ)
1→2→3→4→5→6→7 / 親→人→親→中→親→薬→小 (外向き階段)
7→6→5→4→3→2→1 / 小→薬→親→中→親→人→親 (内向き階段)
当時から指の関節等で誤魔化し押しをせず、指先でのみ鍵盤を押すことに意識を向けていたおかげで、DP十段なり立てくらいまでで運指に関して困ることはあまりありませんでした(少なくとも☆11を触れている範疇であれば)。例えば14であれば、ホムポジ運指の範囲内で押せるので 14 / 親中 という感じでパッと押す指を瞬時に決めて押せていました。(むしろ当時は運指云々よりも譜面認識の方がもっと大事なのではと感じていた時期でした)
当然上記だけではすべてのパターンをカバーすることは出来ません。そのときには既知の運指からどう崩すべきなのか、というところにフォーカスを当てて解決していった記憶があります。
例えば既知の運指だけでは解決出来なかった例の1つが当時のDP八段の段位曲であったTurii(A)の片手乱打、とりわけ黄色の枠で囲った13467階段でした。ここで考えた妙案としては運指的に「白4コ」と「黒3コ」に分割しそれぞれを組み合わせるといった感じで、具体的には「13(5)7 / 親人(薬)小」と「(2)46 / (人)中薬」であれば5本の指で1回ずつスマートに押すことが出来ると考えました。後々に「Lincle階段」という名前が付けられ 13467 / 親人中薬小 という定石が存在するくらいには至極当然なものになりましたが、EMPくらいまでだと白鍵と黒鍵がハッキリと分かれているような譜面配置が多かったため3→4みたいな配置は純正階段くらいでしか見かけなかったと思います。
実はここでもう一つの問題が潜在しており、それは「34を人中で押さないといけない」というフィジカル的な問題でした。中指で4を押したときに気づいた方もいるとは思いますが、この状態で人差し指を使って3を押そうとすると人差し指をかなり曲げる必要があり窮屈なフォームになってしまうことに気づくと思います。特に自分なんかは指が人より長い方だと自認しているので尚更曲げる必要があり、かなり窮屈なフォームとなっていました。そこでこの窮屈なフォームから脱却するために意識し始めたのが「手首の位置を上げる」ことでした。そうすることで縦方向(高さ方向)に空間的な余裕が生まれるため人差し指の第二関節をちょっと曲げるだけで3を押せるようになるという画期的な打開策でした。さらに良いことに「手首の位置を上げる」ことによって純正階段を対応する際に使う 5 / 親 もかなりやりやすくなり後々もいいこと尽くしであることに気づかされました。
ちなみにDP十段なり立てでDP皆伝をまだ意識してなかった頃まではランダムというオプションを使用しておらず、正規/鏡とFLIPの有無でほぼほぼの譜面をやっていました。ランダムを使いだしたのはDP皆伝の2曲目に鎮座していた天空の夜明け(A)の中速物量対策で始めたDBRが初めてだったと認識しています。DP十段時に両乱で特定の譜面を練習する、といったことは特に何もやってこず、逆にどの固定オプションでやれば見切りやすくなるか/押しやすくなるかの判断をよくやってました。(ちなみにSecrets(A)の両乱とか当時でも今でも苦行でしかないと思っている人間です)
2. DP皆伝挑戦レベルから現在まで
DP皆伝挑戦が見えてきた頃になると、天空の夜明け(A)対策で⭐︎9,10のDBRをやるようになり56絡みの取り方については色々と考えるようになりました。同時押しをずらし取りする考えがまずなかったので、56同時押しに関しては色々と思慮した記憶があります。
まず既知の運指で56に絡むものは純正階段を対応する際に使う運指くらいしかなかったため、初期段階で使っていた運指は「56 / 親薬」でした。純正階段で既に使っていた指使いであったため比較的この取り方に関して言えば難なく出来ましたが、親指で押す回数が増える(≒親指の稼働率が他の指と比べて高い)ことと、156や356のように56以外で親指を使いたいケースには対応が出来ないといったデメリットがありました。ただ幸いにも当時のDP皆伝のラインナップであった蠍火(A)、天空の夜明け(A)、quasar(A)で156や356等の難配置が頻出しなかったことから、DP皆伝に受かるだけの目的であれば一旦は 56 / 親薬 で問題ないだろうという判断の元、無事にDP皆伝を取得しました。
DP皆伝取得後☆10のDBRをやるようになってからは、やはり前述の156、356等の難配置に悩まされることが多くなりました。そのときにアドバイスで貰ったうちの1つに「薬指1本で56を押す」があり、これを実践してみることにしました。56絡みの押し方としては第二段階になります。これであれば156や356が来ても56を薬指だけでべちゃ押しが出来るので同時にやってくる1や3にも親指で対応できる最大のメリットはありました。ただ、手首の位置が下がってしまうというデメリットも同時に生じてしまい、これまで手首の位置を意識的に上げてきた身としては他の運指への影響がかなり大きかったのを覚えています。手首の位置を下げた状態から元の位置へ戻すのに時間的なロスが発生してしまうからです。
その後、56絡みの第三段階として出たのが「56 / 中薬」でした。いわゆる中5です。普段から5を中指で押す習慣が無かったためとにかく習得難易度が高く感じ、完璧に習得するまでにかなりの時間を要したのは覚えています。ただこれを習得して気づいたのが、これまで試した運指の中で圧倒的に楽に押せること、応用できる範囲が広がったことでした。というか4コ押し絡みの乱打だったり極端なハズレ譜面以外であれば大体の形に対応出来るんじゃないかと思っています。56 / 中薬 と指を構えているので、残りの指(親人小)で他のすべての鍵盤を対応することができ、かつ手首の位置を上げた状態で叩けるので個人的にはメリットしかありませんでした。
56絡みでもう一つ話題を上げるとするなら「中5」と「中6」の使い分けでしょうか。両方習得した身として言えることがあるとするなら、「使い分けれるとかなり便利」という印象があります。両方とも普段のDPで使う運指ではないと思うので習得難易度はそれぞれかなり高いとは思いますが、「中6」に関して言えばさらに「手首を外側に少し捻る」動作を加える必要があります。ただこの動作が出来ると外向き階段が来たときに 5→6 / 薬→中 と自然と出てくるようになるので、5→6を対応する際に薬指での北斗押しを回避出来るのが最大のメリットなのかなと個人的には考えています。逆に内向き階段中の6→5と来るパターンについて 6→5 / 中→薬 はかなり不自然な動きになるはずなので、このパターンについては 6→5 / 薬→中 と取るのが賢明でかつ自然と考えています。 「使い分けれるとかなり便利」という印象を持っているのは5⇔6を対応するときの向きと関係があるからです。
現在の運指はDP八段時と比べかなりバラエティ豊かになったというか、使える運指が増えたというかそんな印象があります、当たり前っちゃ当たり前ですが。ざっと紹介するとこんな感じです。
DP八段時に使っていた運指 +
5→6 / 薬→中 (中6)
6→5 / 薬→中 (中5)
123 / 親人中 (中3)
256 / 人中薬 (中5)
456 / 人中薬 or 中親薬 (前後のノーツ配置によって人4か親5を選ぶ)
567 / 中薬小 (中5)
1236 / 親人中薬 (中3)
2356 / 人親中薬 (中5)
2456 / 人中親薬 (親5)
見て分かる通り、ホムポジ運指で押せない配置に関しては中指と親指のフォローで対応しており、この辺の難配置が押せるようになったのも「手首の位置を上げる」ことで実現できていると考えています。むしろ今となっては手首が上がりきっていない状態では2356や2456のような難配置は押せないと確信をしているくらいで、DP八段時から意識していることが今でも生きているなと実感しています。
運指の話はこの辺で。それではまた。