念願かない、辻井伸行さんのピアノリサイタルへ行きました。
大和証券グループ presents 辻󠄀井伸行日本ツアー 2023/24 ≪楽興の時≫ (avex.jp)
プロの生演奏クラシックを聴くなんて何年ぶりだろうと振り返ると、中学時代に近所のご婦人からいただいたチケットで行った日本フィルのコンサートだった。(同じ吹奏楽部だったオットと行った。入場早々、フォーマルな大人たちがシャンパン片手に歓談していて「大変なところに来てしまった・・・」という印象が強烈に残っている。なおオットに聞いてみたら「会場近くのパン屋で買ったベーコンエピがめっちゃ硬かった」とのこと。確かにあれは硬かったね・・・どちらも演奏のことは覚えていない。ダメダコリャ)
数年前、たまたまYouTubeで見た辻井さんのラ・カンパネラの演奏が衝撃的で「いつか絶対に生の演奏を聴きたい」と思っていた。今回はこの曲自体は聴けなかったけど、どの演目も豊かに演奏されていて本当に感心・感動しっぱなしだった。
(1) 辻井伸行 in ウィーン ♪ラ・カンパネラ♪ la Campanella - YouTube
良い表現を見つけることができないのが本当に悔しいけれど、辻井さんの奏でる一音一音には「瑞々しさ」を感じた。どんなに超絶技巧で速い運指の曲(即興曲はマジでテンポ速すぎ)でも潤いと温かさがあって、ぽろろんぽろろんと球体の何かがあふれ出る感じ。だけど流れに身を任せたりごまかすことは一切なく、はっきりと意志・力強さがある・・・自信というよりかは「音楽やピアノ、その周りをすべて信じ切って奏でている」。そして、心の底からピュア。。
大自然を目の前にした時のような、強烈に揺さぶられるような感覚はこれまでにほんの数回あるけれど、音楽を聴いて起こるのは初めての体験だったと思う。ショパン即興曲やラフマニノフの「楽興の時」の4番~5番では鳥肌がぶわぁっと立つ感覚があった。
この時代に、日本で出会えたことに感謝。また絶対に聴きに行きたいです。