富山旅行三日目の夜、晩ご飯はどこにしようかと物色。でも連休の最終日だし月曜だしで、もしかして居酒屋さんあんまり開いてないかもな、まあそれじゃあホテルにチェックインしたときにもらったクーポンのリーフレットに載ってるお店で済ませようってことでホテルを出た。電話は入れず、満席で入れなかったり閉まってたりしたら、そのときはふらっと歩いて別の店を探そう、って。
で、案の定お休みだったという…。
というわけで、近くのアーケードを歩いてると、「日本酒BAR UZUMAKI」と看板が出てる。ちょっと気になりながらも、魚たべたいなって思ったので通り過ぎてひととおりお店を探すけど、閉まってるところが多くて、これといったお店が見つからない。
結局引き返してその看板のお店に入ったら、これがまたすごく雰囲気のいいお店。マスターは40代前後のまだ若い感じの方。日本酒のメニューは置いてなくて、そのときそのとき手に入ったお酒を提供しています、ざっとケースを眺めて気になる酒があればそれを、そうじゃなければ、好みの味を教えてもらえればオススメを提供します、とのこと。
とりあえず初日に呑んで美味しかった「かちこま」をお願いして、つまむものを頼んで。
辛口のお酒が好きです、富山いい所ですね、お酒も魚も美味しいです、山口県から来ました、山口県は魚もお酒も美味しいところと思ってますが、富山もすごい、何食べても何呑んでも美味いです。
カウンター席の反対側の端に、マスターとの会話からするとたぶん常連さんの、60代前後の紳士がおられて。「山口県の方ですか、魚もかなり美味しいところですよね、お酒も、獺祭とか有名どころがありますよね」「そうなんですよ、三方を海に囲まれてますんで、魚は新鮮でとても美味しいです」
春帆楼をご存じだったし、下関条約の話もされてたし、穏やかで教養を感じさせるような話し方から、なんとなく大学教授とかそんな方なのかなぁと思った。
マスターと、紳士と、呑んだくれのおっさんのひとときの会話。すごく良かった。
お酒も一杯ずつ違うものを紹介してもらって五杯まで飲んだところで、残念ながら閉店時間。いつもより早く20時でお店を閉めるとのことで名残惜しいお開きになったけど、思い出に残る一晩、思い出に残るお酒だった。
また富山に行くことがあったら、もう一度立ち寄りたい。ごちそうさまでした。