すべて猫についての句と歌と詩です。思い出だったり、さみしい気持ちのものもあります。のろけもあります。すべて猫です。

キジトラの 赤茶けた背に 秋をみる
もう8歳 もう13歳 15歳
きみは赤ちゃん えいえんに
息止める。まだ馴れない子が 食べている。
ゆっくりお食べ。人間いないよ。
猫でいうと 5歳程度? 人間たちは、えらそうだよね
きみの目と 同じ色した宝石が 増えつづけてるの 知ってるかい?
(今年もミネラルマルシェで500円くらいの石を探します)
耐えられる だって帰れば 猫がいる
まださわれる まだきこえるのに、もういない
(5年以上経つのにまだしっぽの感触がすぐそこにある)
きみとよく似たそのぬいぐるみが、
生きているどの子よりも大切だ、って
それはぜったい、だれにも内緒
簡単に 吐いちゃったけど そのごはん
他の子達の 好物よ
(特別に、とこっそりあげたシーバを吐かれる)
少女漫画の世界だ、まるで
愛おしすぎて苦しいなんて
だいきらい そんな目をして 睨むけど
きみを生かしているのが、わたし
(人慣れしない子が唸りながらチュールを食べている)
そういえば、言葉がわかればいいのに、なんて
思ったことは なかったな
我こそは 典型的な 日本人
すぐ謝るよ。猫にだって
看取りはいつも かなしいよりも ほっとする
(痛いも苦しいもないのがいちばん)
もう動かないねむる姿が どうしようもなくかわいくて悔しい
口喧嘩 猫もするんだ ねえ、なんて?
あれ買って。はい、よろこんで。が目に見えるから、
猫と言葉が通じなくてよかった。
きみがいなくなった日に 残りのすべて 余生になった
ややこしい 大きい子がボス とは限らない
今はきみなの? ええ? ほんと?
みんなしぬ あのこもしぬし そのこもね
それでいいのよ 看取ってあげる