気がつけば、BUCK-TICKの櫻井敦司が旅立ってから一ヶ月が経とうとしている。
はじめて買ったアルバムはSexy Stream Liner。この時点ではBUCK-TICKがすごく好きというわけではなく、たまたまCDショップの在庫処分セールで安く売られていて、聞いたことのあるバンド名だったから手に取った。そんな感じ。そのとっつき辛い硬質なサウンドにおののいた。
次に手に取ったのはベストアルバムのBT。2枚組のやつ。これも同じCDショップで買ったかな。Sexy...とは全く手触りの異なるポップな初期曲に驚き、Angelic Conversationの素晴らしさに感動し、もっと聴こうと思った。
2000年頃のBUCK-TICKは、決して旬なバンドではなかった。BUCK-TICKを聴いてるというと、そんなバンドは知らないという同級生のほうが多かったし、名前を知ってる同級生でも「まだやってるの?」くらいのリアクションだった。それもあってか中古CD屋にいくとBUCK-TICKのCDは格安で手に入った。狂った太陽、悪の花、DTD...名盤たちか一枚数百円で手に入る。高校生の懐具合に優しい存在だった。
そんな中、カウントダウンTVか何かでみた「GLAMOROUS」に強い衝撃をうけた。「昔流行っていたバンド」じゃなく、完全に2000年を生きる現代的なバンドの音が鳴っていた。
2002年1月。雪道を踏みしめながらセンター試験会場に向かった。このときはBUCK-TICKを聴いていた。大学の前期試験を受けるために上野のホテルに止まったときは、ちょうどBSで「極東より愛を込めて」をパフォーマンスする日だったので勉強もせずそれを見ていた。3月にリリースされたアルバム「極東I Love You」が素晴らしく、このバンドは追い続けようとおもった。
2003年、「残骸」がまさかのオリコンTop5入り。謎のタイミングかつ謎の曲で再ブレイク(?)を果たしたBUCK-TICK。
少し時間が飛んで2011年。初めてBUCK-TICKのライブをみた。Day in question。このときは各アルバムから一曲ずつやるというめちゃくちゃスペシャルなセットリスト。最高だった。
また少し飛んで2015年。LUNA SEA主催のフェスで自分たちの世界を容赦なく叩きつけるBUCK-TICK。最高だった。
BUCK-TICKはずっと現役だった。ずっとアルバムを出し続けていた。これまでのBUCK-TICKをなぞるものではなく、常にチャレンジしていた。
「形而上 流星」のような素晴らしい曲がキャリアの後半になってでてくる。それがBUCK-TICK。
ABRACADABRA。異空。コンスタントに良質なアルバムをドロップしつづけたBUCK-TICK。こんな日がくるとは。
天使のリボルバーで一番好きな曲は絶界。いや、Rainもいいぞ。ただリフは間違いなく絶界が最高。そんな絶界が、櫻井敦司最後のパフォーマンスだったらしい。最後の最後までかっこよすぎるよ櫻井敦司。
ようやく涙を流さずにBUCK-TICKを聴けるようになってきた。人生は愛と死。
ありがとう櫻井敦司。ありがとうBUCK-TICK。