社会人にとってのトレーニングボリューム理論

dorarep
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最近の筋トレ科学界隈ではトレーニングボリューム理論が良いとされている。 これは筋肥大に必要なのは、シンプルに『重さ×回数』の数字という理論だ。

たとえば100kgを10回3セットやると100*10*3で3000となる。 代わりに70kgを10回10セットやると70*10*10で7000となり、こちらのほうが筋肥大するという話だ。

一般的に1RM(1回しかあげられない重さ)に近いほど回数は稼げないため、この理論に従うと軽い重量を高回数あげたほうが筋肥大すると言われている。

たとえばこちらの動画ではトレーニングボリュームを最大化するために 100セットやるようにして爆発的に成長したと言う話だ。

もちろん軽すぎても効果がないとされるし、ボリュームを減らしたほうが金肥大したという声や反対的なプロの方も多数いるのでそこまで単純な話でもないが、100%これが正しい前提でただ筋トレしている一会社員の視点で考えてみる。

トレーニングボリュームを最大化=時間をかける

トレーニングボリュームを最大化するなら、軽すぎない重量でとにかくセット数を稼いだ方が良い。 たとえば先ほど紹介した動画では1RMの50%の重量で100セットしていた。

またセット間の休憩時間も長いほうが良い。 昔は休憩は1分と言われていたが今は時間は関係ないとされ、ボリュームを稼ぐならシンプルに休憩に時間をかけたほうが重量は上がるようになる。

なので100セットを5分休憩でやれば筋肥大する!って話になるが、冷静にこれ何時間かかる?

100*5分で休憩だけでも500分=8時間以上かかる。

さらに同じ日に別の部位もやるとなったらその数字が倍になる。 つまり時間が無限にある前提での理論上最強であり、時間に制約のある我々社会人は素直に真似できない。

1時間での最大化を考える

では仕事終わり、筋トレに1時間だけ使える社会人だとしたらどうだろう。 一般的な1種目10回3セットとして、普通にやってて4種目ぐらいになる。 仮にその日に2部位を行うなら1部位2種目だ。

となったときに、ただ10回3セットを全力で出しきった方が筋トレボリュームは稼げる。下手に軽い重量にしても、時間的に回数は稼げないからだ。100メートトル走をマラソンのペースで走るようなものだ。

また休憩時間も短い方が良い。下手に5分とか休むよりは、1分でとにかくセット数・種目数を稼ぎたい。

となると結局10回3セットの休憩1分がなんだかんだバランス良いのでは?となる。

トレーニングレベルとボリューム理論

またボリューム理論は短期的には軽重量が良いが、長期的な視点で見ると重量あげられるようになった方が良い。

バーベルベンチ1RM40kgの初心者が1年かけて重量伸ばせば1RMは2倍になる。

重量を伸ばすには神経系の発達が必要なので、重たいものを挙げる必要がある。回数を稼ぐトレーニングだとなかなか重量は伸びていかない。

であれば20kgで回数稼ぎ続けるより、さっさと重量伸ばした方が圧倒的に良い。

と考えると、ある程度重量が頭打ちになった状態でボリュームを稼ぐための手段としての高回数と捉えるのが良さそうだ。

力を抜くトレーニング

またどれだけの人が自分の全力を出せているのかという話もある。

同じ1RMでも個人差はあり、ポテンシャルの何パーセントを出せるかは人による。

やっぱりプロはポテンシャルの限界まで出せているわけで、そのレベルの人がいう「追い込みすぎないトレーニング」と一般人の「追い込みすぎないトレーニング」はレベルが違う。

結局のところ一般人の全力はプロの全力に遠く及ばないので、変にボリューム稼ごうと思って力を抜くより何も考えずに全力だせって話になる。

Long-length partial

ついでにLong-length partialについて。

いわゆるスロートレーニングで収縮を丁寧にやるのは割と批判されている一方で、ネガティブは丁寧にやるのは未だ推奨されている。

これはLong-length partialにつながってくるのかなーとふわっと思っている。

ネガティブを丁寧にやると、つまるところLong-length partial的になる。種目にもよるかもだが。

逆にネガティブが荒いと伸びきったポジションで力が抜け、収縮だけに意識が行きがちだ。

そう考えるとネガティブが大事というよりは伸びきったポジションが大事で、それが「重さが乗った状態での可動域の広さ」とかにつながってくるのかな。

であればチーティング使ってでも重い重量を上げて、とはいえネガティブは全力で耐えるトレーニングの良さもわかる。