す〜ごく楽しかったです!
イベントの存在に気づいたのが開催2週間前ほどで、過去作のなかにそれだけで持ち込めるものはないから絶対に書き下ろしを間に合わせなきゃいけないし……と参加を迷っていたのですが、思いきってサークル参加して本当に良かったです。
Aro/Aceが登場して二次創作で……という作品がたくさん集まる場、それら作品を作った人、見たい人が集まる場に、自分の作品を持って一緒に集まれたことが嬉しかったです。オールジャンルイベントだったので原作とも参加者の方とも初めましてが多かったのですが、むしろ「いろんなジャンルにAro/Aceがいる」と感じられるのが、それぞれの作品についても、そこに目を向ける作者の方についても嬉しかったし、これもご縁!といろいろ読ませてもらうのも楽しかったです。
イベントに参加できなかった方は、下のリンクから参加サークル一覧が見られるのでぜひ覗いてみてください。BlueskyやXでイベントタグ(#AS_FA2026)を使って作品を公開してくださっているサークルさんもあります。この記事の最後でも特に好きだった作品などを紹介しています。
さて、自分の参加作品はこちらでした。
アプリゲーム《ディズニー ツイステッドワンダーランド》のアズールがアロマンティック・アセクシュアル(恋愛でも性愛でも誰にも惹かれない)という設定で、そんなアズールと、アズールに片思いしていたことのあるジェイドとフロイドと、イデアとのお話になっています(全員学園卒業後設定)。オールジャンルイベントに持ち込むということで、ツイステを知らない方でも読みやすいよう気を配りながら書いたので、ツイステ知らないなあという方も読んでみてもらえたら嬉しいです。
二次創作にはずいぶん長いこと親しんでいるつもりですが、Aro/Aceが登場すると決めて二次創作をするのは初めてでした。正確には、キャラクターの恋愛志向や性的指向を設定したり意識したりして二次創作をするのが初めてでした。最近は恋愛も性愛も絡まないお話ばかり書いているのでなおさら新鮮な気持ちがありました。これまで書いてきた二次創作の登場人物がAro/Aceではないつもりもないのですが、作中で明言しないとしても作者のなかに確信のある作品でこのイベントには参加すべきだろう……という気持ちでがあり、慌てて書き下ろしを準備しました。
ただ、Aro/Aceが登場する二次創作をやりたいという気持ちは以前からあって、(こういうお話なら書けるかな〜書きたいな〜)と温めていたものがありました。それをこの機会に形にできて、このイベントを通じて読んでもらえて本当に良かったです。
お話を作るときに意識していたことがいくつかあって、それは「悲しい話にしない」とか「恋愛メインの話にしない」とか、つまりは自分が読みたい、この世界に増えてほしいAro/Aceの物語の形にするということでした。
Aro/Aceは恋愛や性愛におけるマイノリティで、そこに“特徴”があるということができるけど、自分が「Aro/Aceの登場する物語が読みたいな~」と思うとき、それはAro/Aceならではの恋愛や性愛の物語が読みたいというわけでは必ずしもなくて、恋愛とか性愛が主題になっていない物語とか、その登場人物が恋愛にも性愛にも困ってないし葛藤してないしそれがその人にとって大切な位置に来るわけでもない“それはそれとして”物語のなかにいる姿もいっぱい見たい、という気持ちがしっかりめにあります。
「こういう物語があったらいいのに」の気持ちで書いたので作品を喜んでいただけるのが本当に嬉しくて、「だよね~!」と言いたいような、仲間に出会えてはしゃぐ気持ちや、誰かの「あったらいいのに」を小さくでも叶えられたのかなという気持ちなど、そういう嬉しい気持ちがいっぱいありました。このイベントに参加していなくてもいつか書いたかもしれないけど、このイベントを通じて読んでもらえて本当に良かったと思います。
そして今回書いた話をとっても気に入っているからこそ、もっと底抜けパワフルハッピーな別のお話も書きたいな!とあらためて思いました。今回の展示作品に込めた「あったらいいのに」もあれば、書いているうちに取りこぼしてしまったものもあって、自分が取りこぼしてしまったものをど正面からやっていると感じる作品に出会ったことで「こういう作品も書きたい!」の気持ちになりました。
自分は上に引用したポストに書いた「それはそれとして」を一つのキーワードにしていて、そういうお話が読みたいし、もっと世界にいっぱいあったらいいなと思うし、ということは自分でも書かねばと思ったりもします。今回書いたお話は悲しいものではないけれど、いつの間にかややしっとりしたり、「それ」をけっこう正面から書いたものになっていて、そうして書き上がった話もとっても気に入ってはいるけれど、こういうパターンのお話を増やせはしなかったからまた書きたいな、今度はそれを軸に書きたいなという気持ちもあります。Aro/Aceの物語がどんどん増えたらいいし増やしていきたい。これからもAro/Aceが登場する二次創作をやるぞ〜!の気持ちをもらったイベントでもありました。
Aro/Ace取り扱い二次創作について、自分は二次創作で書きたいキャラのなかに「作中でAro/Aceと設定されている」や「作中で明言されていないけれどAro/Aceに見える」キャラは今のところほぼおらず、アズールも「Aro/Ace“だったら”」というIFの形で書きました。
イベント用に何を書こう、何なら書けるかなと考えたとき、「このキャラはAro/Aceに見える」とか「Aro/Aceぽい」の感覚、わかるけどちょっと取り扱いが難しいよな〜と思って、これも今回参加したことで気づけたことでした。「見える」や「ぽい」がステレオタイプを作ったり偏見を再生産したりにならないか?と思うからです。そのキャラクターの、原作で描写されたある属性や傾向を「Aro/Aceぽさ」とすることにならないか?それをしていいのか?という。たとえばクールな面や対人関係に難のあるキャラクターを「Aro/Aceぽい」と捉えるとき、そうした性格や性向だけを「ぽさ」の理由にするのではないとしても(Aro/Aceは“そう”という誤解を広めないかな……)という不安がふっとよぎります。
でも属性や傾向だけでなく、もっと具体的な言動やそのキャラクターの総体的な雰囲気に対する「ぽさ」への「わかる」という感覚もあって、Aスペクトラムじゃないかな〜と感じているキャラクターを紹介してくださっているサークルさんがいくつかあったのすごく嬉しかったです。「ここにもいる」が拡張されていく感覚、自分が気づいてなくてもここやそこにもいるのかもという気持ちが広がっていくというか。あるいは「ぽさ」とは少し違う「もしそうだったら」の感覚にも喜びがあると思います。
「ぽい」をどこに向けるか、そのキャラのどういう性質と結びつけてそれを感じ取っているのかについては自覚的になる必要があるかなと、Aro/Ace取り扱い二次創作初心者として思います。Aスペクトラムについてまだあまり知られていない、誤解もあるなかだからこそ慎重になる必要はあるよなと。ただ、かといってクールな性格のキャラをAro/Ace設定にして二次創作するなというのも横暴だし(Aro/Aceかつクールな人も当然いるはずで、そういう人を不可視化することもあってはならないから)、バランスに気を配りつつやっていくしかない、やっていきたいなと思います。
ちなみにイベント用に何を書こう、何なら書けるかなを考えていたとき、『目の前の神様』の田原師匠のAro/Ace二次創作!見たい!と閃いたので忘れないようにここにメモしておきます。Aro/Aceに限らずクィアな田原師匠ののんびり日常物語、かなり見たいです。
あとがきやイベント参加の感想を拝見するのがすごく嬉しかったのも今回のイベントの思い出です。なんだろう、似たものを欲しがっている人、喜ぶ人に出会うことで、やっぱりこれってあったら嬉しいよね、素敵なものだよねと二重に嬉しい気持ちになるというか、仲間的な存在を普段積極的に探すことはないのですが、こういうときに会うと「いるんだ!」と思って嬉しくなってしまうんだなということを感じました。似ていることも嬉しいし、違うことも嬉しいです。いっぱいあって初めて取れるバランスもあるから、みんなそれぞれに、でもみんながいることが心強いんだなと思います。
どういう気持ちで作品を作ったのかとか、イベントに対してどういう嬉しさや安心感を覚えたのかとか、そういう「あなた」や「わたしたち」ひとりひとりの声を読ませてもらっては嬉しくなっていました。今回のイベントをご一緒させていただいた方みんなと握手をして回りたいみたいな気持ちです。
あらためまして、イベントをご一緒させていただいた皆さま、そしてとっても嬉しく楽しいイベントを主催してくださったまるとも様、本当にありがとうございました。
第二回でまた集まれたら嬉しいなと思いつつ、イベントの外、今もこれからもまだまだどんどん続いていく日常のなかでそれぞれ暮らして存在して、そのなかのどこかでまたお会いできたらそれもとっても嬉しいです。
Aro/Ace取り扱い二次創作WEBオンリー「存在証明」で出会った特にお気に入りの素敵な作品たち
🌟茶太郎 さん「Aro/Aceオンリーを祝うマンガ」(鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎)
上のほうで「自分が取りこぼしてしまったものをど正面からやっていると感じる作品に出会った」と書いたのですがそれがこちらです。作品冒頭に「Aro/Aceオンリーの開催を祝うきもちで描いたセクシュアリティに一切の関係がないマンガ!!」とあり、そうした作品がAro/Ace取り扱い二次創作として描かれ発表されることにすごく嬉しくなりました。水木青年や目玉のおやじ、鬼太郎、おふくろさんたち家族と一緒にねずみ男がしれっといるのも個人的に嬉しくて好きです。
Aスペクトラムだと思うキャラクターを紹介するコーナーがあとがきにあり、こちらも必見です。「わかる~!」や「そうだったら嬉しいかも」がいっぱいでした。
🌟Ham さん「Aro/Ace取り扱い二次創作WEBオンリー『存在証明』展示」(少年アシベ)
このお話に登場する完治くん・味田・あづみちゃんの三人の形がとっても大好きです。互いに対する感情や関係値は一定でも均一でもなくて、あちらとこちらとそちらででこぼこの、そうした三人の温度感や手触りがすごくツボでした。三人以上の関係性が好きな方、特にロマンチック成分少なめなものがお好きな方は特にぜひ読んでほしいです。
🌟ヤ巳 さん「Even Without the Romance」(Fate/Grand Order)
アロマンティック・アセクシャルと設定されているバーソロミューさんがすごく格好良くてですねえ! Aro/Aceキャラとしてこういう描写をされるキャラクターがいるんだ! こう読める/書きたくなるキャラがいるんだ! ということがすごく嬉しかったです。
🌟昭 さん「出会わなければよかったのにね」(呪術廻戦)
すっごく切なくて、泣きたくなるけど、それでもどうしたって読めてよかったと思う作品でした。作品の中心にいる二人の感情をぜんぶ理解できているとはちっとも思えなくて、でも、その感情のやわらかいところを見せてもらってしまっていると感じて、それで泣きたくなるような。二次創作短歌をやっている人は特にぜひ読んでみてほしいです。
20ページからが特に好きです。
イベントの参加サークルリストは下のリンクから閲覧できます。気になるサークルさんや作品があれば(イベント外でも公開してくださっているとは限りませんが)、SNSなどで探してみてください。なおイベントタグ(#AS_FA2026)の使用が確認できたSNSなどとして、X(旧Twitter)、Bluesky、Xfolio、AO3があります。
※pixivでイベント参加作品を公開されている方もいますが、タグの利用は今のところ確認できていません。
2026年2月6日夜追記
なーんて記事を公開したまさにその翌日、第2回開催決定の告知がありました!
【第2回】Aro/Ace取り扱い二次創作WEBオンリー「存在証明」
■開催日:2026年7月18日(土曜)21時から7月20日(月曜)20時50分まで
■サークル参加申込〆切: 2026年6月30日(火曜)終日中
そしてBluesky公式アカウントの開設も(ただしメイン運用はXとのこと)!
🌟イベントのBluesky公式アカウント(@iru-zo.bsky.social)はこちら
ぜひ会場でお会いできれば嬉しいです!