図書館が好きです。
今からする話は、絶対に正しいとは言い切れないよなと思っていて、自分は「そうした方が良い」と思っているけれど、他の人の視点と立場によっては全然違うのかもと思いつつ、でもやっぱり自分としては「そうしたい・他にもそうする人が増えたら嬉しい」と思っていることの話をします。
本で「数年後の誰かにも読んでほしい、そして数年後に本屋で買えるとは限らなさそうな気がする本」があれば、図書館に買ってもらったほうが良い、と思います。あるいは、「自分が読みたいけど今は買えなくていつか読みたい本」も図書館に買ってもらったほうが良いと思っています。
「数年後の誰かにも~」の本として、たとえば歌集を思い浮かべてこの話をしています。歌集、市場流通からすぐに姿を消してしまうことが往々にあります。最近は少しずつ改善されているとも聞くというか、すぐに絶版にならないよう頑張っている出版社さんもあるなと感じてるけど、どうだろう。5年前に出たあの歌集、人に勧めたくてももう買えないんだよな……ということは今もあります。そしてそういう本は歌集に限らず他にもあると思いますし、昨今の紙の値上がりを鑑みると「そういう本」の範囲は拡大していくのではとも思います。
そういう本も図書館でなら読めるから素晴らしいねという話かというと少し違います。図書館、読みたい歌集がないことが多いです。あくまで自分の肌感覚の話ではありますが、「あれも置いてないの!?」みたいなことが結構あります。
※これはあくまで推測ですが、図書館で買う本を選ぶ人のなかに短歌が好きな人がいないと、「図書館で買う歌集」を選ぶのは難しくて、そして図書館で買う本を選ぶ人のなかに短歌が好きな人がいることは少ないからじゃないかなと思います。短歌ブームと言われたりもするけれど、それでも興味のない人のところまで歌集の情報が定期的に流れる状態かと言えばそうではないし、「○○賞を受賞した歌集は所蔵しよう」のような大枠の方針も立てづらいだろうなと思うので。
だから読みたい歌集を図書館で探しても見つからないということは結構あります。
でも、買えなくなった歌集が読めるとしたら図書館で、じゃあどうしたら歌集を図書館で読めるようになるのかといえば、今その歌集を好きな人が「未来の読者も読めますように」と図書館に購入リクエストするのが手っ取り早いんじゃないの、と思っています。もちろんいま読みたい人もリクエストしたら良いと思います。
おこがましい言い方かもとは思いますが、図書館の品揃えに不満があれば自分の手でその棚を育てたらよくて、図書館の購入リクエストのシステムはそれを許してくれる──あるいはそのためにあるはずだ、という考えを持っています。
大学生の頃、大学図書館に歌集をたくさん買ってもらっていました。そのうちの何冊かはすでに自分で買って読んでいたもので、他の人にも読んでほしくてリクエストしました。この“他の人”は自分が思っていたよりもずっと広い、未来の読者も含んでいたんだなということを今さらながら思います。当時は自分の同級生や数年後の後輩くらいのイメージでしかなかったけど、自分が大学を卒業してもその歌集たちはずっと図書館の棚に残るので。
去年、大好きな歌人さんの歌集が出たとき、自分で買うのと同時に地域の図書館に購入リクエストを出しました。いろんな人に、末長く読んでもらえる状態にしたかったからです。最近も、同じ理由で何冊かの歌集をリクエストしました。
図書館に置かれることで本の売り上げが悪くなるのではないか、という指摘があることも知っています。でも、どの本もいつまでも買えるわけではないことを知っているから、だからやっぱり、いつか買えなくなるかもしれない本は、特にそのいつかがすぐに来てしまうかもしれない本は、そうなった未来でも誰かに読んでほしいと思う本は、図書館にリクエストを出すし、これに共感してくれる人がいれば、一緒にリクエストを出して図書館の歌集コーナーやその他のあなたが好きなコーナーを盛り上げませんか、そうしてくれたら嬉しいなと思っています。
図書館は未来に本を残すためのタイムカプセルでもあるから、そこに入れたい本があったらリクエストを出すし、よかったらご一緒してくれたら嬉しいなというお話でした。
図書館の購入リクエストサービスについて
購入リクエストのサービスは特定の図書館だけがしている特別なものではなく、多くの公共図書館や大学図書館は同じサービスを持っているはずです(名前は違うかもしれません)。
“この本を図書館で買ってください”というリクエストができるサービスで、実際に買ってもらえるかは図書館での審査があります。また貸出可能になるまでそれなりに時間がかかることが多いというのがこれまでの体感でありますが、費用は図書館持ちで、リクエストした人も、他の人も、何度でも繰り返しその本を読めるようになります。
もう買えなくなってしまった「読みたい本」がある人へ
🚙取り寄せサービスの話
図書館には「取り寄せサービス」もたいていあるはずです。自分が使っている図書館にない本を、他の図書館から取り寄せて読んだり借りたりできるサービスです。
“取り寄せ”の対象にできる図書館の範囲(同一都道府県内/日本国内/公共図書館に限る など)や、取り寄せにかかる郵送料を図書館が負担するか利用者が負担するかはケースバイケースなのでご注意ください。自分がよく使う図書館は「同一都道府県内の図書館なら無料対応」で、引っ越し前の別の都道府県にある図書館も似た感じでしたのでご参考までに。
「どこの図書館にあるか」を調べる必要はなく「この本を図書館に取り寄せてください」という形で申し込みが可能です(どこの図書館から取り寄せできるかは図書館の人が調べてくれます)。
📕国立国会図書館の話
「読みたい本」が日本国内で発行された本なら、国立国会図書館にある可能性が高いです。国立国会図書館の本は「直接借りて帰る」ことはできませんが、国立国会図書館のなかで読むことはできます。また、近所の図書館が取り寄せサービスに対応していれば、国立国会図書館の本を近所の図書館に取り寄せる(そして近所の図書館のなかで読む)ことができる可能性もあります。
「この本を探してる」「この図書館を使ってる」などメッセージをいただければ、分かる範囲ではありますが具体的にお手伝いすることもできます。
図書館と本が大好きなだけの人間ですが、本探しや図書館利用のことで相談してみたいことがあればご連絡ください。