「アブソリュート・チェアーズ」展というやつを見に行きました。イスに関するアートの特集です。
真っ先にあったのがマルセル・デュシャン(有りものの便器を美術館に飾ったひとだ)の作品。スツールの座面に自転車のフォークとホイールが刺さっているというやつでした。自転車乗りには「家具調の振れ取り台」と言えば伝わるでしょうか。なんにしてもイスには座れません。
第一章のタイトルが「座れない椅子」なんですね。岡本太郎の「座ることを拒否する椅子」もあります。ちなみにこの作品は5脚のうち2脚は座っても良いことになっていました。焼き物なので座り心地は大変固いです。
そんな感じで展示は大きく分けて「見るからに座りようがないイス」と「座れるようになってるイス」という種類があります。
座れるようになってる展示のひとつに、オノ・ヨーコの作品がありました。真っ白な2脚のイスとテーブル、チェスのセットで、愛知県美術館では、窓際のいい感じに光が入ってくるところに展示されてました。チェス盤と駒まですべてが真っ白なので、自分の駒か敵の駒が分からなくなるのがミソのようで、「信頼して駒を進めよ」というタイトルがついています。自分と相手の記憶力と、お互い嘘をつかないのが前提となってるのでしょうな。戦いが途中でうやむやになるのが目的なのかもしれません。元々そこに存在してたかのようなロケーションも素晴らしいです。平日は実際にチェスで遊ぶこともできるそうです。
しかし、デュシャンにオノ・ヨーコ、他にもフランシス・ベーコンにアンディ・ウォーホルと、お名前だけはかねがね…みたいな人の作品が実際に生で見られるというのはなかなか現実感がないものですね。デュシャンは有りものだしウォーホルはいくらでも印刷できるから、そこはまあ、ありがたみはあんまりないかもですが。
一番印象に残ったのが、ミロスワフ・バウカ『φ51x4, 85x43x49』という作品。天井から吊られたイスに重そうな枷がセットになっているという、拷問しか想像できない代物で、見た瞬間に「うわっ」てなりました。
企画展の後でコレクション展も見たんですが、よくわかったのは「いっぺんに沢山の作品を見て回るとすごく疲れる」ということでした。貧乏性なので全部見ないと気が済まないし…