土いじりを続けたい

にー兄さん
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私の、いわゆるプログラミングへの向き合い方は土いじりな気がした。

子供の頃に砂場で遊んだ経験はあるだろうか。砂のお城を作る人もいただろうし、ピカピカの泥だんごを作った人もいたかもしれない。私も庭の砂場でよく遊んだものである。砂はさらさらしてるし、掘り進めると硬い土やら石がでてくるし、特段何かすごいものを作れなかったとしても、土に触れているだけでなんだか楽しかった。

考えてみると「触れているだけで楽しい」ものは他にもあった。私の場合アコギもそうだ。アコギはエレキギターと違って生音を楽しむ楽器で、ネックを指で押さえて弦を弾くと音が出るんだけど、弾く強さ・場所・方法で音色が違う。アコギは叩くと良い音が出るので打楽器っぽくもあるんだけど、叩く場所で別の音が出る。音楽理論が全然わからないのでちゃんとした曲にはならないけど、何気なく弾いてるだけで無限に楽しめちゃう、アコギはいいおもちゃだ。

こんな風に、今も昔も関係なく「触れているだけで楽しい・心地よい」ものが存在する。そしてそれは、私の趣味活動の中で重要な感覚なのではないかと思い始めた。まさにプログラミングをしているときにそう感じることが多いからだ。

システムを構想している間はゆったりと時間が流れる。クラス設計をすると頭がさっぱりする。コードを書いている時は気持ちが落ち着く。エディタの補完やコードフォーマットがバッチリ効いた時は口角が上がる。満足のいくコードが書けた後は、少しの間うっとりする。書いたコードが全然動かない時もよくあるけど、デバッグをしているときはワクワクする。

みなさんはなぜ(趣味で)プログラムを書くのだろうか。プログラミング入門者に対するアドバイスとして「作りたいものを考えよう」とよく言われる。プログラミングは手段であり、その先の成果物のために使うことが多いだろうし、そういう意識でプログラムを組んでいる人は多いと思う。私の周りの優秀なエンジニアはそういうタイプが多い。

作りたいアプリとか、実現したい異世界感とか、そういうことを聞かれたときに私は全然答えられない。それにちょっと悩んだ時期もあった。どちらかというと、面白いシステムとか、きれいな設計とか、きれいなコードとかと触れ合っていたい。

世の中的には「目的と手段が逆になってるぞ」と言われることもあるかもしれないけど、私はプログラミングをするためにコードを書きたいので、そういう生き方を模索したいと思った話である。

@drumath2237
ソフトウェアエンジニアをしています。 @ninisan_drumath