思考の整理術:最近、愛用している3つのフレームワーク

味わい日記
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4月も2週目が終了しました。

社内もそうですが、お客さんと話すときも新体制になっていたり新しい方とご挨拶の機会もいただけたりで、なんとも清々しい空気に触れられて気持ちが良い日々を過ごしています。

梅雨になるとそうじゃない日々になるのかもしれませんが、そんなときは苔寺にでも足を運びたいものです。

さて、今日は最近お気に入りのフレームワークについて日記を書こうかと思いました。

最近お気に入りの3つのフレームワーク

結論から書くと、以下の3つが私のお気に入りのフレームワークです

  • 「用・強・美」

  • 「か、かた、かたち」

  • 「守破離」

これらはそれぞれ独立しているように見えますが、実は密接に連携していると感じます。

ウィトルウィウスの「用・強・美」―デザインの基本原則

ひとつめは建築の古典、ウィトルウィウスの「建築書」に書かれた「用・強・美」というフレームワークです。

この原則は、建築を通じて、デザインの基本を語るものです。

建築とは強さと用と美の理が保たれるようになされるべきである」と述べています。

建築を作るにあたっては、それが何をするための建築なのか(用)、そのようと成立させるためには、どのような構造や強度を持たせるのか(強)、それを美しく作るには、どうすれば良いのか(美)を考えなければならないということです。

私がよく携わるプロジェクトでは「ユーザーが目的を達成できるデザイン」を心がけています。ただ、その目的を達成するだけでなく、改善がしやすいスケーラビリティを持たせることや、見る人をワクワクさせる要素も重要です。これらの要件を満たすためのバランスを見つける際、「用・強・美」の原則が原理に立ち返る手助けをしてくれます。

「か、かた、かたち」―デザインプロセスの三段階

2つ目のフレームワークは「か、かた、かたち」です。日本の近代の建築家、菊竹清訓さんが「代謝建築論」という本のなかで「か、かた、かたち」という考え方を紹介されました。

デザインには3つの階層があると説明しています。

  1. 「か」とは、本質論的段階、つまり「考え」

  2. 「かた」とは、実態論的段階、つまり「ルール」

  3. 「かたち」とは、現象論的段階、つまり「かたち」

これも私が携わるプロジェクトで重視している項目です。目的や狙いを具体的な形に落とし込むことで、チームメンバー全員が約束事や制約を理解し、アイデアやサービスを展開し強化していきます。最終的にはそれらを形にすることが目標です。

このアプローチはシンプルですが、基本原則に立ち返ることができます。

「守破離」―伝統的な学習プロセスの応用

「守破離」とは、技能習得のための三段階を示す日本の武道から来た学習フレームワークです。私はこの考えを社員教育時に意識しています。

基本技術の習得(守)、既存の枠を超える挑戦(破)、そして完全にオリジナルなスタイルの確立(離)を促す考え方です。

社員教育は難しいテーマです。「背中を見て覚えろ」という方法では不十分ですが、それでは誰が、どのようにして、体系的なメソッドとして知識を伝えるべきなのでしょうか?

理論と実践の場をどの程度融合すべきかは会社によって異なりますが、「守」の段階で伝えるべき基本事項を伝える。この伝えるべき基本事項を設定することが継続的な仮説検証の出発点だと考えています。

おわりに

最近は社内の業務に加えて、お客様のプロジェクトにも積極的に携わっています。私自身もまだ学ぶべきことが多く、頼りにしている社員のサポートが欠かせません。

フレームワークがあるおかげで、どの段階の話をしているのかを明確に理解でき、「この人は既に『破』の段階に達しているので、細かい指示は必要ない」と感じることがあります。

長くなりましたが、最近頼りにしているフレームワークの紹介でした。

@dubhunter
「株式会社アジケ」代表取締役。UXとサービスデザインに特化したデザイン会社を経営。過去にスタートアップ複数社のCXO、上場企業のUXフェローを経験。AI時代における人間中心設計デザインが現在の関心領域。社名は「味気ある世の中を創る」理念に基づく。東京本社、福岡拠点で二拠点経営を実践中。 ajike.co.jp