eatarolot
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公開:2023/12/1

首なんかどうだっていいんだよ!!

……という映画です。切腹の作法も、衆道の習いも、大将首も、武士が拘泥するものは外野にとってはどうでもいい。信長なんか黄色いクソだし、こいつらみんなアホだし、首なんかどうだっていいのである。弥助やキム兄(役名忘れた)などのアウトサイダーの眼差しが面白い映画だった。

武士の論理に回収されたものは首切られて死ぬが、とはいえ武士でない人間が幸せかといえばそんなことはない。荒木村重は箱詰めにされて殺されるし、中村獅童(役名忘れた)の家族は野垂れ死ぬし、とにかく社会階層を問わず人間はことごとく死ぬ。

極限に至った暴力はコメディと紙一重であると言ったのが誰か忘れたが、本作には終始冷たく乾いた笑いが漂っていた。その点において、「人間生まれてから死ぬまで遊びなんだよ」という信長のセリフは作品の芯を貫くものかもしれない。違うかもしれない。

荒木村重周りのプロットがどういう役割を果たしていたのかよくわからなかった。もしかすると、武士社会から脱落して茶人になるという歴史上の顛末が関係しているのかもしれない。が、もう一回観る体力はちょっとないので誰かに任せた。

なんかよくわからない映画だったが、よくわからないなりにたけしと大森南朋と浅野忠信のコントは面白かったし、中村獅童周りのプロットはものすごく好みだった。あれだけで一本映画を撮れそうなのに、群像劇のひとつのピースにしちゃうんだもんな。というか中村獅童の株がだいぶ上がる映画だった。あんなにオーラを消せるんだなあ。

映画と同じくらいよくわからん感想ですね。おしまい。