友人の友人が撮った『すべての夜を思いだす』という映画がユーロスペースでやってるのを教えてもらい見に行った。すごくいい映画だった。記憶と記録についての映画。
ときどき「私の人生の最良の瞬間は誰かの記憶の中にあるのかも」と想像することがある。なんとなくそれが希望のように感じられるから。当事者の私が忘れてしまっても、どこかで幸福な自分が生きていていたことを目撃した人がいるかも、と思うと、救われる気がする。人生がただの過ぎ去る時間の連続以上の価値のあるもので、人間が生まれて老い死ぬだけの無力な有機体以上の存在のように感じられる。