衝撃的なニュースが飛び込んできた。
【富田林市】悲報!富田林のソウルフード西口駅近くの名店ポパイが突然閉店してしまいました。(奥河内から情報発信)
ポパイといえば僕が小学生時代から贔屓にしていた“らーめんハウス”だ。
ポパイはチャーハンとかラーメン、餃子をウリにしているので一見中華のようにも見えるけど、実はそうじゃない。
まず、チャーハンではなく、「やきめし」なのだ。
僕はこの「やきめし」が世界でいちばん好きなご飯もので、ここのやきめしを超えるものには未だ出合っていない。
地元を飛び出してからも、チャーハンを食べる機会はたくさんあったけど、どうしてもポパイの「やきめし」と比べて優劣をつけてしまう。そのたびにポパイのやきめしを食べたくなる魔法の食べ物だった。
ポパイといえば、近鉄長野線は富田林西口駅前にある。もともとは富田林高校とか河南高校の学生向けに出店されたようだ(たぶんそうでしょう)。ロマンスグレーのちょっと気難しいおやじさんに、気立の良いおかみさん。そして、一心不乱にやきめしにがっつく学生。僕もそのうちの1人だった。
はじめは親に連れられて、スイミングスクールの帰りとか、休日のお昼のタイミングでポパイに通っていたと思う。
僕はそのたびに必ず「やきめし」を注文した。中学〜高校生あたりになってからは、ポパイに通う頻度も増えていた。
週2とか多いときは週3でポパイに通っていた。文字通り、やきめしにがっつり胃袋をつかまれたのである。
僕がポパイにもっとも通っていたのは大学生のころだろう。実家から原付で5分という神立地の大学に通っていて、アルバイトは幸運にもポパイの近くの某ピザ屋(今は閉店)でデリバリーというか、ピザをひたすら運んでいた。
ピザ屋の休憩時間に必ずといっていいほど僕はポパイで昼をとっていた。
通う頻度も増えていたので、やきめし以外にも「元祖からあげ丼」とか「トンカツ丼」にも手を出すようになっていた。どれもマジでおいしかった。当時は20代になりたてで、毎秒腹が減っていた。
そんな腹をすかせた僕らの救世主としてポパイはいつも出迎えてくれた。
そういえば塩ラーメンもあって、それも絶品だった。「こってりだけがおいしいわけやないんやぞ」店主が無言で教えてくれたような気がした。塩ラーメン……。まじでうまかった。餃子との相性も抜群だった。
ポパイにおける僕の三種の神器としては「やきめし(小)」「塩ラーメン」「餃子」だ。
このトライアングルはまじでやばい。バミューダトライアングルどころではない。一口食べた瞬間、アトランティス大陸のはるか彼方まで連れていってくれる。そんな気持ちにさせてくれるメニューだった。
時は経ち……今は東京に住んでいて、地元に帰るタイミングは年に数回しかない。お盆とか正月とか、店はだいたい閉まっていることが多かった。
たしか2〜3年前のお盆の時期、奇跡的にポパイが開店していて、僕はあの頃と同じように一心不乱にやきめしをかきこんだ。
めちゃくちゃ美味しかった。昔と同じで洗練されていた。中華のチャーハンじゃない、これがポパイの「やきめし」なんやと。
唯一無二やなと。
「今度帰省したらポパイやな」「ええな、最高やな行こうや」そんなやりとりを地元の友人ととっていた矢先に閉店のニュースが飛び込んできた。
ほんとにさっき食べログでなんとはなしに、らーめんはうすポパイのページを見たときステータスが「閉店」になっており、愕然とした。信じたくなかった。何かの間違いだと思った。
次に「らーめんはうす ポパイ」でググったら、地域のライターさんが現地の写真付きで記事をアップしてくれていた(それが冒頭の記事リンク)写真の貼り紙を読むと「閉店のお知らせ 誠に勝手ながら当店は閉店しました。長きに渡りご愛顧いただきましたこと深く感謝申し上げます。 らーめんはうすポパイ店主」と綴られていた。
ライターさんの文章には以下の記載があった。
気になったお店を見つけても、いろんな理由があってなかなか行けない時ってありますよね。ところが、そんなことをしていると店が閉店してしまい、「行けなかった」と後悔することもあるかと思います。
※出典:【富田林市】悲報!富田林のソウルフード西口駅近くの名店ポパイが突然閉店してしまいました。
むっちゃ共感した。そして、ポパイにしばらく行けなかったこと、本当に悔やんだ。
どこかでポパイのような「やきめし」にふらっと出会いたい。というかしれっと何事もなかったかのようにポパイのおやっさんが店を再開してほしい。
おやっさんの鍋を振る姿をまた眺めながら、やきめしを食べたい。