私は珈琲を淹れるのが好きだ。
どうしてそうなったかというと、数年前に仕事でイタリアに住んでいたことがある。
毎朝のルーティンは家の近くのバール(Bar)で、お爺さんが入れてくれる1.2€のマキアートをテイクアウトし、朝食のパン(これも近所のパン屋さんで買う、なんと7時前から開いている)を小脇に挟んで職場までテクテク石畳を歩いて行き、職場でむしゃむしゃしていた。
イタリアンマキアートというのは日本で流行っているラテアートのマキアートとはまた別物で恐ろしく小さいカップ(デミタスカップという)で提供されるフォームドミルクがちょっとだけ入ったものをいう。
これに砂糖をこれでもかというほど入れて飲むのである。砂糖が溶け残りじゃりじゃりしている最後の一口がおいしい。
この生活を続けていて日本に帰ってきたときふと朝物足りなさを感じた。無性にこの朝一杯のマキアートが恋しくなってしまった。
しかし前述のとおり、日本で飲めるマキアートは「日本のマキアート」しかない。じゃあもう自分で淹れるしかないじゃないか。
ということで必要な道具を揃え(この話はまた長いので今度)自分で珈琲を毎朝淹れることにした。
目指すはあの毎朝イタリアで飲んでいたあの珈琲の味。道のりはまだ遠い。