一人でポッドキャストを配信していると「収録したのに一切配信しないで没にする」ということがままある。複数人で収録するポッドキャストとの大きな違いは、事前準備が足りないと、話が止まってしまう、ということがあるためだ。
なにかしらのプレゼンをすることを考えてみてほしい。スライドもなく、準備もなく、原稿もなく、20〜30分、誰からの反応もない虚空に向かって喋ってください、と言われて、フリートークができるのはそれなりの芸歴のある芸人さんか狂人だけだと私は思う。
実際、一人で虚空に向かって喋り続けている私はすでにおかしくなっているのだけど、収録に失敗すると、毎回、落ち込む。一人だと、いくらでも時間を作れそうな気もするが、忙しく農業をしつつ、家事育児にいそしんでいると、収録できるのは家族が眠っている時間か、いない時間しかない。なにかしらの気力・体力を犠牲にして時間を作り、それが無為に終わる徒労感。
ポッドキャストを配信する、という営み自体が、基本的に徒労であるので、徒労に徒労を重ねる虚しさはひとしおである。
なぜ、こんなことを毎週のようにやっているのか、理解に苦しむが、毎週こんなふうに収録失敗している訳ではないんです。今年から、新しく違った形のポッドキャストをやろうと意気込んで、失敗してしまっただけなんです。
いつか、もっと簡単に、てきとうに配信しても、たくさん聞かれるようになったら良いな。どうせそんなことがないから、何度も録り直しするのだけど。