毎日、育児と仕事で人生が終わる。人生と思えるものをやるには、睡眠を削るほかなく、生きるのは難しい。
さいきん、夜なべしてPS5のゲーム「ゴッドオブウォーラグナロク」をやっている。
このゲームは、アクションRPG。主人公はもともとはギリシャ神話ベースの世界で、家族を鏖殺された復讐に主神ゼウス以下全部の神を殺したスパルタ人兼戦争の神様クレイトスさん。ひょんなことから北欧神話世界に移住し、そこで新たな奥さんと家族を設けて平和に過ごしていたのだけど、ある日、奥さんが頓死。奥さんの遺言に従い、残された息子と一緒に世界の果ての山から遺灰を撒きにいったところ、どうも息子のほんとうの名前がロキで、北欧神話の終末イベント「ラグナロク」を引き起こしてしまうかもしれないというのが前作で分かり、本作ではどうしたら良いのかね?というのをクレイトスさんと息子とその他の面々で世界崩壊を避けるために色々やる、というお話。
北欧神話ベースなので、トール(marvelのソーのモデル)もいれば、オーディン(斬鉄剣のイメージがついてるが、全然違う、北欧神話主神)も本作から出てくる。
このゲーム、やるのが、基本的には、オッサンだ。なんせ、初出がゼロ年代、PS2からなんで歴史はまあまあ古い。そこから続きものなので、やってる若者も順当に歳をとり、子どもがいたり、家族に悩んだりするようになっている。
そして、本作はそのユーザーの成長に合わせて、父親の葛藤、親子の軋轢、子の成長をこれでもかと入れてくる。
クレイトスは、スパルタ人らしく寡黙で口下手。息子を心配するあまり、つい怒鳴ったりすることで傷ついたりする。トールは、アルコール中毒親父として描かれる。実際の神話でも大酒飲みなので、その通りなのだけど、それを家族に見咎められることで傷つく。トールとオーディンの親子関係も複雑で、チカラの方は明らかにトールのほうが強そうなのだけど、知恵や権力で上回るオーディンからはパワハラまがいの扱いを受けて傷つく。
話の中心が、中年の危機やつらみばかりが目についてしんどいのだけど、このゲームはアクションゲームなので、クレイトスさんはそういった家族や人生のわだかまりを暴力で発散させ、反抗期の息子と和解したりしなかったりする。
以前、ファーザーズゲーム、なんて呼ばれ方をしているレビューをみたが、その通りな作品だな、と思う。まだクリアしてないけれど、現在はそれなりに楽しく人様の家庭のいざこざをゲームでやっている。